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『間違い』電話
第14章 『魔性』
「宏実っ!」


これじゃぁ尚子の時と変わらない!
まさか宏実まで、こんな風にしてくるとは思わなかった!


「賢さん!今日だけでいいんで、側に居て…」


人は時に、死を垣間見ると生殖本能が働き出すって聞くが…
女性も同じなのか?


兼子が死を望んでいながら、宏実自身の死に対する恐怖に直結してしまったんだろうか…。


「分かった!落ち着いて!」


ベルトを外そうとしている宏実の身体を思いっきり抱き締めた。


「あっ…」


「側にいるから…とにかく落ち着いて…」


宥める様に…背中を摩り…


宏実の顔を覗き込んで、ゆっくりと…


唇を重ねた…。


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