この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
闇夜を彩るアラベスク
第9章 いて座の男
上川明は中小の地域密着型の引っ越し専門の会社に、働き始めたばかりの22歳。
力仕事なんて向いているはずもなかったが、大学卒業までにどの企業からも内定をもらえず、途方に暮れていたところ学校の先輩から「行くところがなかったらウチで働くかい?」と誘われたのがきっかけだった。
最初のうちは体も出来上がってなく、ひとつの引っ越しを済ませるだけでヘロヘロになっていたが、これではいけないと、近所のスポーツジムに通って筋トレを始めた。
若い体は鍛えるとすぐに体型に変化をもたらす。
薄っぺらだった胸はこんもりと盛り上がり、腕は丸太のように太くなった。
おまけに腹筋が顕著で、自分でも惚れぼれするほどのシックスパックに割れて数ヶ月で引っ越し作業でヘロヘロになっていた体は冷蔵庫やタンスなど軽々と持ち運べるようになった。
こうなってくると体を鍛えるのが楽しくなってくる。
わずかでも時間に余裕があるとジムに行ってトレーニングを欠かさない毎日を過ごし始めた。
そんなある日の事、見かけない若い女性がジムにやってきた。
プロポーションは見事な女性だったが、腕も脚も細く初心者なのは丸わかりだったが、ハイレグのジムスーツを身につけ、見た目だけは上級者並の格好をしていた。
そんな彼女がベンチプレスで悪戦苦闘していた。
ダンベルの重量は10キロほどだったが、なかなか持ち上げる事が出来ずにいた。
「君、もしかして初心者?」
そんな悪戦苦闘している彼女を見てみぬフリをしていられなくて、ベンチに横たわる彼女の顔を見下ろしながら上川は声を掛けた。

作品検索
しおりをはさむ
姉妹サイトリンク 開く


