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闇夜を彩るアラベスク
第10章 やぎ座の男
『う~ん…今週号はイマイチだなあ…』
某写真週刊誌の編集長である八木沢達也は、最終稿のゲラ(下書き)をチェックしながらため息をついた。
グラビアアイドルを厳選し、水着写真しか掲載しないにも関わらず、そのモデル達のポーズが卑猥だとかでアダルト雑誌に分類されたものだから、コンビニに置いてもらえなくなり、売り上げは激減していた。
上司からは、そろそろ打ち切りにすべきではないかと打診されるありさまだった。
八木沢自身もアートと卑猥の境界線に限界を感じ始めていた。
いつ廃刊にすべきか…
そのタイミングを見計らってばかりいた。
そんな内情を知らない芸能プロは何とかして新人のモデルの女の子を売り出そうと八木沢に接待を持ちかけてくる。
今日もまた、小さなプロダクションの社長がアイドルの卵の女の子を引き連れて編集長室に訪問してきた。
「編集長。どうにかしてウチの真理子を表紙に選んでもらえませんか?」
「う~ん…そうねえ…ま、考えてあげないこともないけど…」
「お願いします」
芸能プロの社長に連れて来られたモデルとして今回写真モデルになったアイドルの卵である真理子という女性が必死の思いで八木沢に深々と頭を下げる。
「まあ、表紙に使ってあげれないこともないけれど…」
八木沢はそのように言葉を濁したものの、真理子という女性はどうにも華がなく、表紙を飾るにはイマイチだと思っていた。
「この子を表紙にしてもらえるのなら酒宴の席にお供させてもいいと思っているんです」
酒宴のお供…
つまりそれは一夜妻として性接待もいとわないという事を意味している。

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