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蝶恋乱舞~禁断の策略愛に溺れて
第1章 最愛の男
篝火を焚いて送りに出たのは斎藤家一族、父の家臣団、侍女たち、総勢約二百。
そのなかに光秀の姿もあった。涼やかな笑みを浮かべ、他の家臣と同様に、おめでとうございます、喜びいっぱいと言った微笑みを浮かべ、深く一礼した。
昨晩、菫は帰蝶にこう言った。
「光秀さまは、心底帰蝶さまのことをお好きなのですね。私を稲葉山城に連れる道すがら、帰蝶さまがどれほど素敵かを、ずっと話していらっしゃいました」
武家に生まれた女は、いくら思い合う相手がいようとも、結ばれる可能性はほぼない。
ならばせめて、一夜の逢瀬であったとしても結ばれることができなのならば、それで充分幸せと言える。
そう分かってはいても、愛する男と再び離れ離れになるのは、帰蝶にとって体を二つに引きちぎられるような痛みを伴う思いだった。
輿に揺られ、山道を進む。
松明がゆらゆらと、先の知れない旅の行く末を、頼りなく照らしていた。
嫁ぎ先でたどる数奇な運命を、帰蝶はまだ知らない。
<第一章 最愛の男 完>

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