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恋は静かに、長く、深く
第5章 優香里 Another Mind
「どういうつもり?優香里」


友達の千秋が、
腕組みをして私を睨んでいる。


渋谷センター街のマックで
私はコーラの紙コップに残る溶けた氷水を吸いながら、
しょんぼりして見せた。

「ごめん、千秋」

「向こうは本番ありのつもりだったんだよ。
 優香里にも言ったはずじゃん」

「言われたけどさ、
 どうしてもいやだったんだもん」

「いい加減なことしないで。
 こっちはビジネスなんだよ」

千秋は
マニキュアも塗っていない桜色の爪で
コツコツとテーブルを叩く。


私とは違って
黒髪で化粧っ気もなくて、
スカートは膝が隠れるほど長い。

どこから見ても優等生の千秋が
援交の元締めをやってるというこの現実。


怖いよなぁ。


私は落としていた肩を
一層低く落とした。
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