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2026 人質交換を託された女 (上巻)
第4章 スマートマウス (1)
目隠しの奥の暗闇と、濃度の高い空気が溶け合い、私の素肌に触れてくるような感覚がしていた。密封された冷やされた空気が、徐々に温められていく、不思議な感じがした。
いつ開くとも知れない、扉の向こうの音に耳を澄ませていた。怯えに近い大きな息をフッと鼻から出していく。自分は今、日常から切り離され、ただの『獲物』として保管されている事実が、脳裏に焼き付いて離れない。
この状況で、立ち続けることへの疲労は、あまり感じていなかった。身動きが思うようにできないことが、私の五感を極限まで研ぎ澄まし、体は拘束の緻密さを実感していく。
男は、なぜ私の両腕を可動域ギリギリまで、後ろに回したのか、それは私をこのロッカーに最初から閉じ込めるつもりだったのでは、と考えるようになっていた。ただ両腕を後ろに伸ばしただけでは、おそらくロッカーに入らない。だから両腕を絞り、肘をコンパクトに畳ませ、そこから動けないように縛っていったと思えていた。
「…ッ…ンン…ッ…ン…!」
フッと体に受け止められていた感覚が、頭に浮かんでしまい、私は嫌なことを思い出したことを忘れるように、首を左右に振っていた。
いつ開くとも知れない、扉の向こうの音に耳を澄ませていた。怯えに近い大きな息をフッと鼻から出していく。自分は今、日常から切り離され、ただの『獲物』として保管されている事実が、脳裏に焼き付いて離れない。
この状況で、立ち続けることへの疲労は、あまり感じていなかった。身動きが思うようにできないことが、私の五感を極限まで研ぎ澄まし、体は拘束の緻密さを実感していく。
男は、なぜ私の両腕を可動域ギリギリまで、後ろに回したのか、それは私をこのロッカーに最初から閉じ込めるつもりだったのでは、と考えるようになっていた。ただ両腕を後ろに伸ばしただけでは、おそらくロッカーに入らない。だから両腕を絞り、肘をコンパクトに畳ませ、そこから動けないように縛っていったと思えていた。
「…ッ…ンン…ッ…ン…!」
フッと体に受け止められていた感覚が、頭に浮かんでしまい、私は嫌なことを思い出したことを忘れるように、首を左右に振っていた。

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