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2026 人質交換を託された女
第2章 大役
『お預かりした物の中に入っていました』と小さなメモ用紙に、女性の字で書かれていた。メモ書きの上に、3色ボールペンが1本置かれていた。特にカウンダ―業務の行員たちは、ベストの胸ポケットに、この3色ボールペンを挿すことが常だった。クリーニングに出す時、『気をつけてください』と朝礼で注意されていたのを思い出した。

私はメモの裏を利用して、「はい…はい…」と頷き、先輩からのアドバイスをメモに走り書きし、それを手に掴んでいた。

銀行の制服一式を手に、つい先週まで使っていた自分のロッカーの前に立った。たった4日間だったのに、ロッカーには『吉村』の名が記され、まだ外されていなかった。

「その時はどうされたんですか…?」と私は尋ねた。

「自力で脱出した…」
「すごいですね…」と先輩に返した。
そして「着替えます…」と伝え、会話を一旦終えた。
私は自力で脱出できません、と伝える必要はなかった。

そっとロッカーの扉を開け、ジャケットのボタンに手を掛けた。馴染み惜しむようにジャケットを脱ぎ、ハンガーに掛け、ロッカーに収納した。シャツもスカートも丁寧に入れた。

透明な袋を破り、薄い青地に白いストライプが入ったシャツの袖に腕を通した。爽やかな着心地に息が漏れ、ボタンを1つ1つ、シャツのハリを感じながら丁寧に留めていく。青い水玉模様のネクタイを首に締め、ノリのついた白襟を直していく。チャコールグレーのスカートに両脚を通し、同色のベストも着ていた。本当に好きな色、知的な雰囲気を演出する、素敵な制服だった。

それを着て、ロッカーの扉に付いている小さな鏡を見つめた。その下のトレイにネームプレートが置いてあった。細長い青のプレートに、白字で銀行名と『カスタマーサービス 吉村里紗』と書かれていた。それをベストの胸ポケットに留めた。最後にロッカーの扉をそっと閉めた。
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