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エロ本を拾っただけなのに <女子高生・優香>
第15章 《憧れの被写体》
蝉時雨が降り止まない、晩夏。
優香の部屋には、クーラーの冷気とは裏腹な熱気が満ちていた。

聡からの最新の指令は、さらに過激なものだった。

『指で触れることも受け入れてくれた君なら、きっとできると思う。
 君が大好きだった雑誌のモデルさんたち。
 あの子たちみたいに、君の可愛い顔を僕で汚してほしいんだ。
 もちろん、深夜に、誰にも見つからないようにね』

(顔に……塗る……)

家族が寝静まった午前2時。
優香は音を立てないように起き上がり、鏡の前に立った。
手には、たっぷりと溜まったゴム袋。
聡は今回、この行為のためにわざわざ量を溜めて送ってきていた。

優香は深呼吸をすると、手のひらに中身をぶちまけた。
とろりとした温かみのある液体。
匂いが広がらないよう、手早く両手で広げ、洗顔するように頬へ、額へ、そして唇へと塗りたくった。

「っ、ふぅ……」

強烈な匂いが鼻腔を直撃する。
肌に張り付くような、不快な粘り気。
優香は目を開け、暗い部屋の鏡の中の自分を見つめた。

そこには、白い液体にまみれ、テカテカと光る自分の顔があった。
普段の清楚な優香ではない。
欲望に溺れ、オスに汚されることを悦ぶ、淫らな女の顔。

(あぁ……私、あの本の人たちと一緒だ)

憧れていた『顔面崩壊』の世界。
その住人に、自分もなれたのだ。

「きれい……」

優香はうっとりと呟いた。
すぐに洗い流さなければならない。親が起きてくるかもしれない。
その背徳的な焦燥感が、鏡の中の自分をより一層美しく見せていた。

優香は恍惚とした表情で、白濁に塗れた自分の顔をいつまでも見つめ続けていた。
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