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エロ本を拾っただけなのに <女子高生・優香>
第27章 《嗅ぎつけられた秘密》
しかし、優香が高校を卒業し、大学生になってから、その行動はあからさまになっていった。
理由をつけては頻繁に外出を繰り返し、数日間に及ぶ外泊も増えた。不安と焦燥に突き動かされた香代子は、ついに一線を越えた。娘のあとを、密かに尾行し始めたのである。
優香が自宅を出て、慣れた足取りで向かう先。彼女が公園のベンチを通り過ぎ、吸い込まれるように入っていくのは、新しく、けれど静謐な空気を纏った高齢者用マンションだった。
香代子は、優香がそのエントランスに消えていくのを、常に公園の樹木の陰からじっと見つめていた。
それが、聡がモニター越しに目撃していた、あの「女」の正体だった。
聡は「防犯」のためにモニターを見ていたが、香代子もまた、崩れゆく家庭の中で唯一残された「娘」を守りたいという、歪んだ執着から監視を続けていたのだ。
◇
夫の浮気が発覚し、家庭が瓦解した今、香代子を支えているのは「優香だけは、私の手の中に留めておかなければならない」という、悲痛なまでの義務感だった。
「お母さんは……あなたがどこに行っているのか、本当は全部知っているのよ」
リビングで優香に突きつけたその言葉は、数年間に及ぶ沈黙と、屈辱的な尾行の果てに絞り出された、香代子の限界の証明だった。
娘の背後にちらつく、あのマンションの男の影。
香代子の瞳には、娘を案じる母親の慈愛よりも、全てを失うことを恐れる者が持つ、暗く昏い光が宿っていた。
理由をつけては頻繁に外出を繰り返し、数日間に及ぶ外泊も増えた。不安と焦燥に突き動かされた香代子は、ついに一線を越えた。娘のあとを、密かに尾行し始めたのである。
優香が自宅を出て、慣れた足取りで向かう先。彼女が公園のベンチを通り過ぎ、吸い込まれるように入っていくのは、新しく、けれど静謐な空気を纏った高齢者用マンションだった。
香代子は、優香がそのエントランスに消えていくのを、常に公園の樹木の陰からじっと見つめていた。
それが、聡がモニター越しに目撃していた、あの「女」の正体だった。
聡は「防犯」のためにモニターを見ていたが、香代子もまた、崩れゆく家庭の中で唯一残された「娘」を守りたいという、歪んだ執着から監視を続けていたのだ。
◇
夫の浮気が発覚し、家庭が瓦解した今、香代子を支えているのは「優香だけは、私の手の中に留めておかなければならない」という、悲痛なまでの義務感だった。
「お母さんは……あなたがどこに行っているのか、本当は全部知っているのよ」
リビングで優香に突きつけたその言葉は、数年間に及ぶ沈黙と、屈辱的な尾行の果てに絞り出された、香代子の限界の証明だった。
娘の背後にちらつく、あのマンションの男の影。
香代子の瞳には、娘を案じる母親の慈愛よりも、全てを失うことを恐れる者が持つ、暗く昏い光が宿っていた。

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