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夜来香 〜若叔母と甥、禁忌の果て〜(改訂版)
第16章 アトリエ
陽翔はきょとんと先輩を見た。
「藤沢くんの使っているのは少し大きいでしょう?……立って描くならそのサイズがいいかと思いまして……」
「立って?…椅子じゃなくて…」
先輩の意図が理解できずに聞き返す。
「はい…手や耳…唇だけじゃ…あなたの中で私は完成しないでしょう?……次はどこを描いてみたいですか?……」
先輩の言葉に陽翔はフリーズした。
【待て待て待て待て…部長は何を言ってるんだ?…】
「スケッチブックは小さいから…パーツパーツで描いていきましょう……」
先輩は何でもないことのように話しかけてくる。
「…パーツ…って…」
「はい…先ずはどこから描きましょうか?……」
【先ずはって…】
陽翔はまた息を飲んだ。
【その笑み……】
叔母が魅せる妖しげな微笑み…。
先輩は同じ笑みを浮かべ見つめながら後退去っていく。
そしてゆっくりとベッドに腰を下ろした。
【あれ?…部長のスカート、あんなに短かったっけ?…】
椅子に片膝をかけた後ろ姿の時とは脚の露出度が明らかに違った。
揃えられた膝…左脚がゆっくりと持ち上がっていく。
「…ぶ、部長……」
「なんですか?…決まったんですか?……」
いつの間にか射し込んでいた陽の光は影っていた。 決して真っ暗ではない。
雲が出て来たのだろう。
組まれた脚…ゆっくりと持ち上がっていたのにスカートの奥は影が濃くてよく視えなかった。
「部長…灯りを点けてもいいですか?…」
ゴロゴロと遠くで雷の音がしている。
「そうですね…雨が降るのかもしれませんね……あそこ…あの壁の下のスイッチを押してください……下だけですよ ……」
陽翔壁際まで行き、指定されたスイッチを押した。
アトリエというのはこういう仕掛けがあるものなのか解らない。
当然、モデルを立てて製作することも想定されているのだろう。
灯された光は、スポットライトだった。
斜め上からの光りは、ベッドをピンスポットに照らし出していた。
その光の内苑に先輩は座っている。

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