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御朱印女と怪談男〜にさつめっ☆〜
第31章 導きの神と繋ぐ指先
マシンガントークしても聞いてくれる。
一緒に同じものを見てくれる。
同じ体験を分かち合って、同じものを食べて、
同じ・・・ところに帰ってくる。

これ、やっぱりものすごく特別なこと。

「ゆらさんも、飲むよね?」
おかげ横丁で買ってきた地ビール「伊勢角屋麦酒」と地酒「おかげさま」を手に持っている。

うん、と頷くと、コップにまずは地ビールをあけてくれた。

「あれ?ビールあんまり得意じゃなかったんだっけ?」
確かに私はあまりビールは好まない。
でも、せっかくの地ビールだ。一緒に味わいたい。

「大丈夫、飲んでみたいよ」
じゃあカンパーイと。

この伊勢角というお店の地ビールは世界大会で何度も賞をもらったことがあるビールなのだそう。確かに、普通のお店で飲むビールよりも味わいが複雑というか濃厚な感じがする。

「港斗くんたちも元気そうだったな」
「うん、巴さん、来月なんだって、出産」
「そうかー結構ギリギリまで旅行ってできるもんなんだなー」

そんなお話をしながら、地ビールを飲む。
私はふわふわしてきたし、素直さんも上機嫌。

伊勢の神域に流れる川の伏流水を使ったという地酒「おかげさま」を飲む頃には、とってもいい気持ちになっていた。

「そういえば、猿田彦神社で言ってたけど・・・、素直しゃん・・・姪っ子さんいるの?」
「ん、ああ、妹の子な。二人いるんだ、上は小2、下はまだ1歳だけど」
「え?妹いるの?」
「あれ、言ってなかったっけ?」

素直さんの家は、お父さん、お母さん、素直さん、そして妹さんの4人家族みたいだった。妹さんはもうだいぶ前に結婚していて、横浜に住んでいるらしい。

「そう言えばゆらさんの家族って・・・?」
「うちはー」

私には弟がいる。
父も母も健在。実家は東京の商店街で小さな小売の和菓子屋だったりする。

「え?お菓子屋さんだったの?」
「うん、そうなんだ」
「弟くんは?」
「弟は・・・」

弟は実はパイロットだ。ヤツは昔から何でもできたし、そして何より・・・モテる・・・のだ。

生まれる時、本当は私が受け取るはずだった分の『モテ成分』まで持っていってしまったのじゃないかと思うほどめちゃモテる。

にも関わらず未婚なのだ。ただし理由が私とは違う。
非モテで結婚できなかった私、
モテすぎて敢えて独り者の弟。

何だそりゃ!?と思う。
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