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御朱印女と怪談男〜にさつめっ☆〜
第28章 結ぶこころと絡まる指先
お正月や七夕みたいなイベントの時、
季節の移り変わりを感じた時、
そしてなにより、心が動いた時。

私は『詩』や『和歌』に気持ちを込めることがある。
溢れる気持ちがピタッと形になるのが、とても心地よいからだ。

そして、今日も私の心はたくさん動いた。
だからかな。ふわんとした頭の中、ひとつの歌が浮かび上がってきた。

  石上(いそのかみ)
  降る雨水(あまみず)の
  いつのまに
  心の堰(せき)を
  過ぎてたぎつつ

そう歌ってしまってから、しまった!と思った。
でも遅かった。

「へーすごい、なんだか本当に教科書に出てくるみたいな歌だ・・・
 で?どういう意味なの?」

あわわわ・・・

目が白黒してしまう。
昼間っから、いや、朝から嬉しくて浮かれてたんだと思う。
一杯の思い出が頭の中で巡り巡っていたのもある。
そして、さっきお風呂で思い出した巴さんの言葉も・・・。

私が思わず歌った歌は、思いっきり相聞歌・・・言ってみればラブソングなのだ。

「あ・・・いや・・・えとえと・・・」
「ちょいまって!そうだ、AIくんに聞いてみよう」

ひゃあああっ!!

止めることもできず、彼がぽちぽちとスマホに入力するのをただ見つめることしかできない。

「えっと・・・こうだっけ?・・・えい!」

プロンプトの入力が終わり、処理が走る。
あっという間に返ってくる答え。

そして、彼の顔が見る間に真っ赤になる。

私の歌った歌、それはこういう意味なのだ。

「石上の布留ではないが、降り積もる雨水のようなあなたへの恋心は、私も知らない間に高ぶって、心の堰という理性すら超えて、今ものすごい勢いで溢れかえってしまっているよ」

ぎゃああああっ!!!

恥ずかしさとなんとも言えないくすぐったさで、私は思わず心の中で叫び声を上げる。ガチガチに固まった私の身体が不意に大きな何かで包みこまれた。

「え・・・っ!?」

素直さんが、私を強く抱きしめてくる。

「ゆらさん・・・あなたって人は・・・っ!
 どれだけ俺を煽れば気が・・・もうぅっ!」
「きゃあっ!」

そのままなだれ込むようにベッドに押し倒され、あっという間に唇を奪われてしまう。
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