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赤椿の島、青き恋~椿島の人魚たちへ
第2章 叶わぬ夢~憧れ~
「人魚の贈り物、か」
香蘭はもう一度、美しいピンクに染まった巻き貝を見つめ、そっと耳に当ててみる。波の音がいっそ近くで聞こえるようだ。
この貝殻はお守りとして大切にしようと思い海に背を向けようとしたときだ。巻き貝が落ちていた辺りを生まれたばかりの白い波が洗っていった。もう少し気付くのが遅ければ、人魚の贈り物を見つけられなかったかもしれない。きっと落ち込んでいた自分を海の果てにいる家族が慰めてくれたのだろう。