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イケナイアソビ。
第6章 咎人
 刀を振るうたくましい腕が伸びてきたかと思えば、藤次郎の身体が傾き、あっという間に銀之助の腕の中に入った。

「あっ……」
 藤次郎は短い声を上げる。
 銀之助の手が彼の双丘を撫でれば、触れられたそこから痺れるような疼きが生まれ出で、身体が震える。
 ただでさえ、抱かれた後は身体が過剰に反応する。それに加えて相手が自分の好いた男ならば余計だ。
 銀之助は藤次郎の下肢を伝う白濁に眉を潜めた。

「抱かれたか」
 銀之助の言葉に、藤次郎はきつく唇を噛みしめる。
 この任務を任された時から、こうなることはもうわかっていた。だが、好いてもいない相手に明け渡すのは藤次郎の本心ではない。

「俺の心は貴方だけのものだ。誰にも渡さない」
 唇の戒めを解くと、彼は自分に言い聞かせるようにして静かにそう告げた。
 すると、藤次郎に陰が被さる。

「っふ……」
 薄い唇が藤次郎の唇を吸い上げた。
 藤次郎の荒れた心が静まり、彼の後頭部に手を回す。
 藤次郎に与えられたほんの束の間の接吻に、身体が熱を持ちはじめる。
 だが、銀之助は男に夜通し抱かれ、疲労している藤次郎を組み敷こうとはしなかった。
 藤次郎を労り、肩を撫でる。その手は思いやりが込められていた。

「可愛いことを言う。今だけはゆっくり休め」
「だけどあの男が……」
 いつ目を覚ますかわからない。
 自分が傍にいないと勘づけばおそらくは身の上を疑われるだろう。

「案ずるな、あの男。相当貪欲な奴だ。夜通しお前を抱いたのであれば、おそらく日中までは起きまい」
 肩を撫でるその手が心地好い。
 藤次郎は銀之助の言葉のまま、ほんのひとときの安らぎを得るのだった。


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