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砂漠の王に捧げる夜 ―ただひとときでも、あなたの愛を―
第1章 夜伽なき王と、影の侍女

私の名前はナディア。
アラビアにある、カリーム王陛下の宮殿で働く侍女だ。
元は、正妃・ユリーナ様にお仕えしていた。
ユリーナ様は優しく、美しかった。
女でありながら国の民からも尊敬され、王のお側にふさわしい方だった。
けれど、突然その方は病に倒れ――
その一年後、静かに息を引き取られた。
ユリーナ様がいなくなってから、王は変わられた。
ハーレムには一度も足を運ばず、夜伽の相手をとることもなくなった。
誰を側に置くでもなく、ただ静かに、国政をこなすだけの日々。
冷たいわけではない。
むしろ、誰よりも気遣い深く、民思いの王。
でもその眼差しは、いつもどこか遠くを見ている――
まるで、亡き妃の面影だけを追うように。
アラビアにある、カリーム王陛下の宮殿で働く侍女だ。
元は、正妃・ユリーナ様にお仕えしていた。
ユリーナ様は優しく、美しかった。
女でありながら国の民からも尊敬され、王のお側にふさわしい方だった。
けれど、突然その方は病に倒れ――
その一年後、静かに息を引き取られた。
ユリーナ様がいなくなってから、王は変わられた。
ハーレムには一度も足を運ばず、夜伽の相手をとることもなくなった。
誰を側に置くでもなく、ただ静かに、国政をこなすだけの日々。
冷たいわけではない。
むしろ、誰よりも気遣い深く、民思いの王。
でもその眼差しは、いつもどこか遠くを見ている――
まるで、亡き妃の面影だけを追うように。

