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紅蓮の夜に、君をさらう
第1章 炎の宮殿、出会いの夜

眉目秀麗の美男子とは、きっとこういう人のことを言うのだわ――
そんなことを思ってしまった自分に、すぐ我に返る。
今は火の中。見惚れている場合じゃない!
「これを羽織れ。」
男は、ためらいなく自分の上着を脱ぎ、私の頭からふわりとかぶせた。
「行くぞ!」
その腕が、私の腰に回る。
力強く、そして熱かった。
私の身体は、炎ではなく、その腕に焼かれたような気がした。
火の中を駆け抜けて、ようやく辿り着いたのは、宮殿の外――門のあたりだった。
「ここまで来れば、大丈夫だろう」
男はそう言って、私の頭からそっと上着を外した。
「……ん? 顔が汚れているな」
そう言うと、彼はそのまま上着の裾で私の頬を優しく拭ってくれた。
すすと涙で濡れた顔を、まるで宝石でも磨くかのように。
そんなことを思ってしまった自分に、すぐ我に返る。
今は火の中。見惚れている場合じゃない!
「これを羽織れ。」
男は、ためらいなく自分の上着を脱ぎ、私の頭からふわりとかぶせた。
「行くぞ!」
その腕が、私の腰に回る。
力強く、そして熱かった。
私の身体は、炎ではなく、その腕に焼かれたような気がした。
火の中を駆け抜けて、ようやく辿り着いたのは、宮殿の外――門のあたりだった。
「ここまで来れば、大丈夫だろう」
男はそう言って、私の頭からそっと上着を外した。
「……ん? 顔が汚れているな」
そう言うと、彼はそのまま上着の裾で私の頬を優しく拭ってくれた。
すすと涙で濡れた顔を、まるで宝石でも磨くかのように。

