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紅蓮の夜に、君をさらう
第1章 炎の宮殿、出会いの夜

「名前は、蘇 圓月(そ・えんげつ)。おまえよりも一回り年上だが、後妻を探している。」
「……後妻⁉」
思わず声を上げてしまった。
うら若き私が、年上の男の後妻になるだなんて。いったい父は何を考えているの。
「これは、蘇国と李国が縁戚になるための大事な結婚だ。おまえの役目は重要なのだぞ、香蘭。」
父の声は冷静で、そして一切の情を感じさせなかった。
――政略結婚。
私の夢見ていた未来とは、まるで違う現実。
「……あの、父上。私は……恋がしたいのです」
静かに、けれどはっきりと告げた。
政(まつりごと)のためでなく、愛する人と結ばれたいと。
けれど父は軽く笑って、私の肩を叩いた。
「すればいい。夫となる人物と、な」
「……後妻⁉」
思わず声を上げてしまった。
うら若き私が、年上の男の後妻になるだなんて。いったい父は何を考えているの。
「これは、蘇国と李国が縁戚になるための大事な結婚だ。おまえの役目は重要なのだぞ、香蘭。」
父の声は冷静で、そして一切の情を感じさせなかった。
――政略結婚。
私の夢見ていた未来とは、まるで違う現実。
「……あの、父上。私は……恋がしたいのです」
静かに、けれどはっきりと告げた。
政(まつりごと)のためでなく、愛する人と結ばれたいと。
けれど父は軽く笑って、私の肩を叩いた。
「すればいい。夫となる人物と、な」

