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第1章 炎の宮殿、出会いの夜

私、李 香蘭（り・こうらん）は、若き皇帝との結婚を夢見るお姫様だった。

現皇帝の第七皇女として、宮中の奥深くで育った私は、いつか本当の恋をして、愛されて嫁ぐことを信じていた。

「隣国には麗しく聡明な皇帝がたくさんいるそうよ。誰が、私の夫になってくれるのかしら――」

そんな夢を抱きながら、私は今日も窓辺に腰かけ、遠くの空を見つめていた。

そんなある日、父である皇帝が私を呼び寄せた。

「香蘭、おまえの嫁ぎ先が決まった」

ぱぁっと、顔が明るくなる。

ついに、夢見た未来が訪れるのだと。

「どなたなのかしら？」

私は胸を高鳴らせながら尋ねた。

父は無言で、一枚の文書を私に差し出した。

そこに記された名を見た瞬間、私の心は静かに崩れ落ちた――