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切り裂かれた衣
第5章 星空の下で

穏やかな日差しがカーテンの隙間から差し込んでくる。
小鳥の優しい囀りを聞きながら、瞼を擦って衣美はむっくりと体を起こした。大きく欠伸をしながら背伸びをする。
「ふわぁ~~」
手で口元を押さえながら枕元に置いておいたスマホを手に取る。寝ぼけ眼のまま画面をタップしてから数秒後、衣美はギョッと目を見開いた。
「うっわ!!いけない!!」
衣美は慌ててベッドから降りると寝室から出て洗面所へと向かった。途中、リビングの棚に左足の小指をぶつけてしまい「痛っ!」と顔をしかめる。目か覚めてしまった。
「あたたた……」
片足でピョンピョンと跳び跳ねながら洗面台まで辿り着くとしばらく痛めた小指を手で擦ってから鏡へと顔を上げる。痛みで顔をしかめていたので自分でも笑ってしまうほど酷い顔をしていた。
(こんな恥ずかしい姿、お兄ちゃんには見せられないな)
そんな事を考えながら、衣美は顔を洗った。
白のニットにピンクのロングスカートを着て、メイクもささっと済ませると衣美は匠に電話をかけた。
「あ、お兄ちゃん。おはよう!」
「おはよう……あれ、もうこんな時間?」
電話の向こうで匠が驚く声がする。衣美は心の中では謝りながらはくすりと笑ってしまった。
「ほらね、私のモーニングコールを期待してたら遅刻するぞ~~」
「酷いな、衣美が言い出したのに」
「ふふっ、ごめんね。お詫びにご飯作ってあげるよ。二講目まで休講でしょ?」
「え、いいの?」
「うん、私もお兄ちゃんと話したいし。じゃあこれから行くね」
一旦電話を切って、玄関でパンプスを履く。トントンと爪先で床を叩いてから衣美は扉を開けた。
小鳥の優しい囀りを聞きながら、瞼を擦って衣美はむっくりと体を起こした。大きく欠伸をしながら背伸びをする。
「ふわぁ~~」
手で口元を押さえながら枕元に置いておいたスマホを手に取る。寝ぼけ眼のまま画面をタップしてから数秒後、衣美はギョッと目を見開いた。
「うっわ!!いけない!!」
衣美は慌ててベッドから降りると寝室から出て洗面所へと向かった。途中、リビングの棚に左足の小指をぶつけてしまい「痛っ!」と顔をしかめる。目か覚めてしまった。
「あたたた……」
片足でピョンピョンと跳び跳ねながら洗面台まで辿り着くとしばらく痛めた小指を手で擦ってから鏡へと顔を上げる。痛みで顔をしかめていたので自分でも笑ってしまうほど酷い顔をしていた。
(こんな恥ずかしい姿、お兄ちゃんには見せられないな)
そんな事を考えながら、衣美は顔を洗った。
白のニットにピンクのロングスカートを着て、メイクもささっと済ませると衣美は匠に電話をかけた。
「あ、お兄ちゃん。おはよう!」
「おはよう……あれ、もうこんな時間?」
電話の向こうで匠が驚く声がする。衣美は心の中では謝りながらはくすりと笑ってしまった。
「ほらね、私のモーニングコールを期待してたら遅刻するぞ~~」
「酷いな、衣美が言い出したのに」
「ふふっ、ごめんね。お詫びにご飯作ってあげるよ。二講目まで休講でしょ?」
「え、いいの?」
「うん、私もお兄ちゃんと話したいし。じゃあこれから行くね」
一旦電話を切って、玄関でパンプスを履く。トントンと爪先で床を叩いてから衣美は扉を開けた。

