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母なる果実
第3章 番外 果実の反芻

※前篇の直前です。際どい描写はありません。
脱ぎ散らかした服や積み上げられた資料、書きかけの書類や雑誌――。
足元も机の上も散らかった部屋の片隅で、女はノートパソコンに向かって、カタカタと文字を紡ぐ音を軽快に鳴らしていた。
「はい、わかりました。ではそのように修正して、また後日…はい。はい…よろしくお願いします。」
どこか疲れの色が滲む声で、傍らに置かれたスマホに話しかけている。視線は真っ直ぐ、モニターに向かれたまま。
やがて、通話を終えると、胸元の重みを机に預けるように突っ伏し、深くため息をついた。
「何回直させるんだろう…まとめて言ってくれればいいのに。」
ぽつりと独り言ちる。どうしようかな――と、ぼんやり画面を眺めていたが、やがて眼を閉じ、左右のこめかみを指先で小刻みに叩く。両足は落ち着かず貧乏ゆすりを始めていた。
時計の秒針だけが神経質に響く部屋で、徐々に眉間に皺を寄せて苦悶の表情を浮かべていたが――。
「ああもう!何も思いつかないよっ!」
唐突に声を上げて、何かが弾けたように身体を起こした。椅子にもたれ掛かって天井を仰ぎ、脱力したように手足を投げ出す。しばらく力なくうなだれていたが、突如立ち上がると、真後ろにあるベッドへ足を運び、豊かな膨らみの重みなど気にも留めずに、全てを委ねるようにそのまま横倒しにどさっと倒れ込んでしまった。
脱ぎ散らかした服や積み上げられた資料、書きかけの書類や雑誌――。
足元も机の上も散らかった部屋の片隅で、女はノートパソコンに向かって、カタカタと文字を紡ぐ音を軽快に鳴らしていた。
「はい、わかりました。ではそのように修正して、また後日…はい。はい…よろしくお願いします。」
どこか疲れの色が滲む声で、傍らに置かれたスマホに話しかけている。視線は真っ直ぐ、モニターに向かれたまま。
やがて、通話を終えると、胸元の重みを机に預けるように突っ伏し、深くため息をついた。
「何回直させるんだろう…まとめて言ってくれればいいのに。」
ぽつりと独り言ちる。どうしようかな――と、ぼんやり画面を眺めていたが、やがて眼を閉じ、左右のこめかみを指先で小刻みに叩く。両足は落ち着かず貧乏ゆすりを始めていた。
時計の秒針だけが神経質に響く部屋で、徐々に眉間に皺を寄せて苦悶の表情を浮かべていたが――。
「ああもう!何も思いつかないよっ!」
唐突に声を上げて、何かが弾けたように身体を起こした。椅子にもたれ掛かって天井を仰ぎ、脱力したように手足を投げ出す。しばらく力なくうなだれていたが、突如立ち上がると、真後ろにあるベッドへ足を運び、豊かな膨らみの重みなど気にも留めずに、全てを委ねるようにそのまま横倒しにどさっと倒れ込んでしまった。

