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母なる果実
第2章 後篇 果実の滴

「――シャワー浴びちゃおっかな。」
ひと通り事が終わると、女があられも無い姿のままそう言った。
「うん、俺も自分の部屋で入ってくる。」
「わかった。ご飯あるけど、その後食べる?」
「…いいの?実はずっとその匂いも気になってて。」
「ふふん、カレーだからね今日は。じゃあ、1時間後、でもいい?」
「もちろん。じゃあまた後で。」
「はーい。」
そういって男は、いつものビジネスバッグを手に取ると、心なしか嬉しそうに部屋を後にするのだった。
「さて、私も早く入っちゃおう。……ちょっと長くなりそうだし。」
そう呟いて立ち上がると、彼女は脱いだ服を手早く片付け、颯爽と脱衣所へと向かう。
通りがかりにふと立ち止まり、胸元に残る温もりにそっと手を添えた。
そのまま、微かに鼻をすんと鳴らすと、顔をわずかに伏せ、照れくさそうに笑った。
やがて浴室の扉が閉まり、シャワーの音が小さく響きはじめる。ときおり、水音にまぎれて、艶やかな吐息のようなものが聴こえたかもしれない。
そのくぐもった音の奥では、彼女は火照った身体を鎮めるように、静かに隅々まで身体を洗っているのだった――。
ひと通り事が終わると、女があられも無い姿のままそう言った。
「うん、俺も自分の部屋で入ってくる。」
「わかった。ご飯あるけど、その後食べる?」
「…いいの?実はずっとその匂いも気になってて。」
「ふふん、カレーだからね今日は。じゃあ、1時間後、でもいい?」
「もちろん。じゃあまた後で。」
「はーい。」
そういって男は、いつものビジネスバッグを手に取ると、心なしか嬉しそうに部屋を後にするのだった。
「さて、私も早く入っちゃおう。……ちょっと長くなりそうだし。」
そう呟いて立ち上がると、彼女は脱いだ服を手早く片付け、颯爽と脱衣所へと向かう。
通りがかりにふと立ち止まり、胸元に残る温もりにそっと手を添えた。
そのまま、微かに鼻をすんと鳴らすと、顔をわずかに伏せ、照れくさそうに笑った。
やがて浴室の扉が閉まり、シャワーの音が小さく響きはじめる。ときおり、水音にまぎれて、艶やかな吐息のようなものが聴こえたかもしれない。
そのくぐもった音の奥では、彼女は火照った身体を鎮めるように、静かに隅々まで身体を洗っているのだった――。

