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裏切りと復讐
第2章 復讐
私はまず、後藤篤志の家に電話をかけた。
奥さんが出たので氏名を名乗り、旦那様変わってもらう。

「はい後藤ですが。」

「私は熊谷裕也と言います。判りますよね?典子の夫ですよ。」

「あー、はい。熊谷さんの。何かご用件でも?」

後藤は焦っているようだ。
声がうわずっている。

「あなた、私の家内と不倫をしてますよね?
 興信所を雇って証拠もあります。」

 相手の声が変わった。

「ここではなんなんで、何処でお会い出来ませんか?」

「では明日18時に我が家に来てください。家内と2人で話を聞かせていただきます。いいですね?」

「はい、了解しました。」

「それと奥さんにこの事をちゃんと話して下さい、包み隠さずね。いいですね。」

「はい・・・判りました。」

 次の日、家内には夕方客が来るから居て欲しい事、子供は両親に預けるよう伝えた。多分相手から話はもう伝わっているだろう。

 時間休を貰い、16時には家に居た。典子はオドオドしながら落ち着かない様子だ。

「ねぇ、私も居なきゃダメなの?」

「重大な話だからね。それとも用事があるのかい?」

「それはないけど・・・」

 ピンポーン
玄関のベルが鳴る。後藤が来た。
家内が出て後藤を居間に入れた。
2人ともビクビクしている。

 ソファに並んで座らせ、テーブルを挟んで自分は座布団に座る。

「早速だが、これを見てもらいます。が、その前にこれからの会話は録音させて頂いていいですよね?」

「はい」

 後藤はうなづき、典子は下を向いたままだ。
 私はICレコーダーをテーブルに置き、興信所の証拠書類をテーブルに広げた。
 写真と会っていた日時、場所、ホテルに入って何時間滞在したか等、克明に書かれている。

「これは私が興信所に依頼したものです。この写真は去る2週間程前のものです。それからコチラはICレコーダーで録音したものをCDに落としたものです。あなた方の行為を記録してあります。聞きたければ、そこのCDラジカセで聴けますがどうしますか?」

「いえ、結構です。何も言う事はありません。すみませんでした。」

 後藤は深々と頭を下げた。

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