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わたしの妄想日誌
第3章 お母さんの浮気相手
 学校から帰ると、今日もお母さんの浮気相手がお家に来ていた。リビングからお母さんの切なそうな…だけどうれしそうな声が聞こえてくる。

 浮気していることがわたしにバレたとき、お母さんは『お願いだからお父さんには黙っていて…』って目に涙をためていたから、わたしも、お父さんには何も言っていないけど…。もうこれで浮気も終わり…って思ったら、ぜんぜんそんなことはなくて、なんかふっ切れたみたいに、前よりも大胆になっちゃった。わたしに泣いてお願いしていたのは、お父さんに黙っていてほしい…という思いがあったのだろうことはもちろんだろうけど、オジサンとの関係がこれで終わりになるようなことはしないで…というお願いでもあったみたい。

 オジサンは何かのセールスをしていて、半年くらい前にお家を訪ねてきたらしい…と、お母さんは言っていた。気が付いたらそうなっていた…みたいなことを言っていた。恥じらいながらもどことなく、お母さんはうれしそうに見えてしまった。

 お父さんは月に一回くらいお家に帰ってくる。お母さんはうれしそうに食卓に料理を並べたり、冷やしたビールを冷蔵庫から取り出して栓を開けたりしている。秘密を知っている娘がすぐそこにいることなど眼中にないみたい。わたしは感心してしまう。女同士の秘密は守られるって信じているのだろうか。何も知らないお父さんがかわいそうになってくる。この際、お父さんも仕事先で浮気でもしていてほしくなるくらい。

 そして今日もお母さんは家で浮気している。すぐそこで自分の母親が浮気していると思うとわたしの下半身はジンジン痺れてくる。お母さんの悩ましい声に共鳴しているみたい。わたしの意思と無関係に勝手に痺れるわたしの下半身。

 「奥さん、いかがですか。真っ昼間から他人棒をくわえこむのは」
 「サイコー。サイコーです」

 お母さんが『サイコー』なんていう若者が使いそうな言葉を使ったことはあっただろうか。『サイコー』って『最高』、いちばんいい…ってことよね。とにかく気分が高揚していることはよくわかる。わたしは薄く開いたままのドアの横で聞き耳を立てる。そしておそるおそるリビングを覗き込む。
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