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木漏れ日をすくう手
第6章 “好き”って、どういうこと?

「好きな人、いるの?」
突然の言葉に、葵はノートから顔を上げた。
美羽はいたずらっぽく笑っている。
「え……いや、いないよ」
「そっか。でも、なんか……雰囲気でわかるよ。そういうの」
“好きな人”。
そう口にされた途端、胸の奥がきゅっと音を立てるようだった。
(先生のこと、好きって言っていいのかな)
(これは“恋”なんだろうか……)
その夜、ノートを開いても、言葉はすぐには出てこなかった。
けれど――。
“誰かの声を、何度も思い出す。
一緒に過ごす時間を、また願ってしまう。
それは、好きってことなのかな。”
ページの端に、そっと書いた。
外は少し風が強くなり、カーテンが揺れていた。
自分の心が少しずつ変わっていくことに、気づき始めた夜だった。
突然の言葉に、葵はノートから顔を上げた。
美羽はいたずらっぽく笑っている。
「え……いや、いないよ」
「そっか。でも、なんか……雰囲気でわかるよ。そういうの」
“好きな人”。
そう口にされた途端、胸の奥がきゅっと音を立てるようだった。
(先生のこと、好きって言っていいのかな)
(これは“恋”なんだろうか……)
その夜、ノートを開いても、言葉はすぐには出てこなかった。
けれど――。
“誰かの声を、何度も思い出す。
一緒に過ごす時間を、また願ってしまう。
それは、好きってことなのかな。”
ページの端に、そっと書いた。
外は少し風が強くなり、カーテンが揺れていた。
自分の心が少しずつ変わっていくことに、気づき始めた夜だった。

