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午後四時までの性隷
第30章 閉められたカーテン
家の外まで来ると、娘の部屋のカーテンは開いていました。

「と、いうことは…」

大きく深呼吸し、息を整えてから玄関前に立ち、ドアノブをわざと大きな音がするように、少し乱暴にガチャリと引きました。

玄関にはまだ二足のローファーが仲睦まじく、寄り添うように脱がれていました。

その音に気がついたのか、娘が階段を降りてきます。

「ママ!どこいってたの?」

「ちょ…、ちょっとデパートまでね」

「だろうと思ったー。私と入れ違いだったんだよ」

やはり見られていたのでした。

「『ママ!』って声を掛けようとしたら、なんだか急いでるみたいにススッと消えちゃうんだもん。ちょっとおめかししてるしさ。昨日入ってたもんね、デパートのチラシ」

「そ、そうなのよ…」

娘の勢いに負けてしまい、私は言うべきことを言えませんでした。

すると、娘の後を追うように、男の子も降りてきました。

「彼、菊田翔くん。クラスメイトなの。ママが出かけちゃったから、お昼を買いにコンビニへ行ったら、菊田くんとばったり会ったから、一緒にうちでお弁当食べない?って、無理やり誘って連れてきちゃった」

ほんのりと娘の頰が赤くなったのは、気のせいではありません。

「は…はじめまして、皐月の母の藍です」

「こちらこそはじめまして、お母さん。菊田と申します」

堂の入った挨拶でした。

今の今までセックスをしていたことなど、おくびにも出しません。
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