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誰にも言えない、紗也香先生
第10章 さようなら、アリス

数日後、アリスから一通のメールが届いた。
柔らかな挨拶とともに、数枚の写真が添えられていた。
一枚目は、緑の草原を背景に馬にまたがる姿。
二枚目は、噴水の前でゴールデン・レトリーバーと寄り添うツーショット。
三枚目は、三段ケーキスタンドのハイティー。
紅茶の香りまで届いてきそうな、優雅な午後のひととき。
――けれど、最後の一枚だけは、まるで別の世界だった。
それは、古い教会の中で撮られたもの。
ステンドグラスから射しこむ光に照らされ、アリスは静かに前かがみになっている。
後ろ手は見えず、背中には深い紫と黒のレザーコルセットがしっとりと艶めいていた。
お嬢様の面影は、そこにはもうない。
ただその瞳だけが、何かを語りかけるようなに――
こちらを見つめていた。
柔らかな挨拶とともに、数枚の写真が添えられていた。
一枚目は、緑の草原を背景に馬にまたがる姿。
二枚目は、噴水の前でゴールデン・レトリーバーと寄り添うツーショット。
三枚目は、三段ケーキスタンドのハイティー。
紅茶の香りまで届いてきそうな、優雅な午後のひととき。
――けれど、最後の一枚だけは、まるで別の世界だった。
それは、古い教会の中で撮られたもの。
ステンドグラスから射しこむ光に照らされ、アリスは静かに前かがみになっている。
後ろ手は見えず、背中には深い紫と黒のレザーコルセットがしっとりと艶めいていた。
お嬢様の面影は、そこにはもうない。
ただその瞳だけが、何かを語りかけるようなに――
こちらを見つめていた。

