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わたしの昼下がり
第10章 口淫に思うこと
 口淫…フェラチオはOL時代に上司に「仕込まれた」と言いました。

 どこに舌を這わせるといいのかとか、歯を当ててはいけないとか、わざと音が出るようにしろとか、俺の目を見ろとか…。

 いろいろと制約が多くて口の周りがすごく疲れたことを覚えています。

 上司からいろいろ仕込まれたのは、行為の途中で萎えてしまったときに回復させるための技巧として求められたのがきっかけだったように思います。確かにその頃は、上司が固さを取り戻すことだけを思って頭がいっぱいでした。

 そのうち、上司は、ホテルに入ってもすぐにはセックスできない状態…つまりは、勃起しないことが多くなりました。フェラチオについての注文も細かくなりました。

 どれぐらい唇を窄めて刺激すればいいのかとか、リズムが単調になり過ぎないようにとか…。

 わたしに性戯を仕込もうとする体で、実は、自分が勃起に至るための前戯としてわたしにさせているのでした。もちろん、上司に確かめたこともなく、わたしの推測に過ぎないのですが。

 上司にとっては、ちょうど仕事がかなり忙しくなった時期でもありましたが、そのままでは満足に性行為もできないのに、わざわざ誘ってくる理由が不可解でしたし、わたし自身も少しみじめな気持ちになったことを憶えています。

 △井と関係するようになって、フェラチオという行為についての印象は変わってきました。

 △井は今まで、途中で萎えるといったことはありません。その分余裕があるというか、むしろわたしの気分を昂らせるために、わたしが自分から進んでフェラチオするように仕向けているような気がします。

 気が付くとわたしの横に立っていて、わたしの目の前にそれがあるという状況がつくられています。そうなるとわたしは、にんじんを目の前に差し出された馬のように、自然と口に含みにいっているのです。

 そして舌を絡めつかせ、唇を窄めて顔を動かします。夫よりも元々ひとまわり大きい△井が、わたしの口の中で、わたしの口と舌でさらに固く熱くなっていくように感じられて、それが素直にうれしいと思いました。

 わたしの頭を優しくなでている△井の手のひらから、そして、耳から聞こえる△井の息遣いから、△井の満足が伝わってきて、わたしはさらに心が昂ってしまいます。
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