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第27章 帰宅

ゴルフ練習場から一足先に帰宅した実雅子。

ノーブラ・ノーパンでユニフォームのゴルフウェアのみでポルシェ パナメーラを走らせて帰途についた。幸いシートもどこも汚れることも、濡れることもなく無事に帰宅できた実雅子。

信号待ちのとき、横断歩道を渡る中年男性の視線が痛かった。たぶん、思い過ごしだろうけど、ノーブラ・ノーパンであることを見透かされたような気分がした実雅子。

　　　　癖になりそう。
　　　　でも、不特定は危険。
　　　　これ以上、増えたら
　　　　取り返しがつかないわ。
　　　　重村定勝さん、勝兵さん
　　　　反町茂さん、関壮輔さん
　　　　清水志温さん、斎田章さん、
　　　　斎田整さん、佐藤慎二くん。
　　　　すでに8人。全員、
　　　　夫と同じくらいの身長だけど
　　　　カラダが大きくて筋肉質。

たしかに170センチ以下はおらず、ほとんどが80キロ以上。筋肉隆々な勝兵、壮輔、志温、そして、章、整、慎二。

　　　　章さんと整さんが
　　　　特に厳つかった。
　　　　真剣に取り組んでいたから
　　　　怖くなかったけど、
　　　　あんな厳つい人と
　　　　街ですれ違ったら怖いわ。
　　　　二人そろって、真面目に
　　　　練習に取り組んでくれて
　　　　真面目に話を聞いて、
　　　　言われた通りに練習して
　　　　素直で可愛いかった。
　　　　それに、マジマジと
　　　　あんなに顔を男性に
　　　　見つめられたのは
　　　　久しぶりだったわ。
　　　　ほかの男性は、
　　　　わたしを見る時、
　　　　エッチだった。
　　　　でも、あの二人は違った。
　　　　そう。そもそも、
　　　　どういう関係なのかしら？
　　　　少なくとも、
　　　　わたしと過去に
　　　　繋がりはなさそうだし。
　　　　他は、ニトリかカフェ。
　　　　だから、真面目なのかも。
　　　　指輪もしていないし、
　　　　兄弟そろって独身っぽい。
　　　　どうしてなんだろ？
　　　　結婚できそうなのに。
　　　　ノーブラ・ノーパンで
　　　　ほかの男性たちが
　　　　『チラリズム』に夢中でも
　　　　真面目に話を聞いて、
　　　　言われた通り練習して、
　　　　あの人たちの中では、
　　　　一番信頼できる人かも。

実雅子は、そう思っていた。斎田兄弟の術中にはまった実雅子。