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第15章 女の恨みは怖い

招集されたメンバーの集まり。

急なことで要予約の店は無理だった。仕方なく、ファミリーマートでそれぞれアイスコーヒーやホットコーヒー、ペットボトルのお茶などを購入して、造成中の住宅地の空きスペースに駐車して、造成中の住宅地の中で完成していた児童公園の椅子や、石に座って、話すことになった。

中心は、当然というか、清水志温の妻、サラン。まさかと思っていたのだが、サランが、集まりに、乗り込んできたのだった。

「実雅子のことなら、知っている！」

大きな声で叫ぶサラン。清水志温が、

「サラン。待て。さきに、事情を説明するから」

と、止めているが、止まらないサラン。

「実雅子はズルい女！ズルくて、悪い女！最低な女！」

叫び続けるサラン。少なくとも、親しくもなく、好意はないことがわかって安心した反町。そして、他のメンバー。

「落ち着けって」

サランを抑える清水志温。やっと黙ったサラン。

「大学時代に妻とあの女性は同じK大学工学部で、同じ専攻でした。あの女性は、〇〇女学院大学卒業ではなく、〇〇女学院中学・高校の卒業生で、大学で妻と一緒になり、妻は大学院に進学しましたが、あの女性は、〇ITに進学したそうです。妻は、その後、〇〇先端科学技術大学院大学に進み、神戸製鉄に研究者として入社しました。そして、今は退職しています。あの女性は、アメリカの〇ITに進学後、音信不通になり、今に至っているとのことです。妻が聞いた話では、向こうでゴルフに夢中になって、プロになったのだそうです」

と、清水志温が説明した。志温が説明を終えるや否や、

「実雅子は、〇ITに行って研究を続けると言っていたのに、しなかった。嘘つきだ。実雅子が〇ITに行かなかったら、私が行くはずだった。私が行けば、今頃、私はノーベル賞！間違いない」

叫ぶサラン。いくらK大学から大学院、〇〇先端科学技術大学院大学でも、さすがに、ノーベル賞はないだろ。仮に〇ITに行ったとしても。というのが、志温だけでなく、他のメンバーの感想だったが、サランは、実雅子に〇IT進学を妨害されたと思っているらしく、

「実雅子が邪魔しなければ、私は〇ITで研究できたはず！今頃、こんなところにいない！実雅子はズルい、悪い、最低」

と、まくし立てるサラン。