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臨時ヌードモデル~梨果14歳の一年~
第49章 美月と奏音
富山氏に紹介された駅近くの整形外科で診てもらうと左肘を骨折していた。

「ごめんなさい……ごめんなさい……」

病院まで付いてきた美月がしきりに謝る。

「大丈夫だよ、事故なんだからしょうがないよ。気にしないで。遅くなるから今日はもうお帰り。」

「でも……」

「美月、おじさんは大丈夫だから。また明日学校でね。」

「うん……本当にごめんなさい。失礼します。」

ギブスをした左腕は首から三角巾で吊されていた。

「こりゃ不便だ……」

「左手だったのが不幸中の幸いだったね。」

確かに。右手だったら仕事ができない。


処方箋の薬を貰いに“ドラッグ富山”にやってきた。

「新婚さんいらっしゃ~い。」

某上方落語家のモノマネをする店主。

「富山さんそのネタ前にも聞いたから。」

「梨果はギャグには厳しいんですよ。」

「あ、そう……で、処方箋の用紙預かるよ。腕の具合はどうよ。」

「いい病院を紹介してくれて助かりました。骨折してたようです。」

「左腕か、まぁ不便だけどまだ若いからすぐ治るよ。」

「富山さん、前に買ったシャンプーとコンディショナーも買って行きます。」

「ああ、右奥の棚だよ。」

梨果はそれらを取りに行く。

「梨果ちゃんますます可愛くなったね。あんな子とあんな事やこんな事をしてるなんて羨ましい……へへっ!さすがに今回は罰が当たったんだ。」

「あははは……」

否定はしなかった。

「じゃあ、これもお願いします。」

梨果が目当ての商品を持って戻ってきた。

「はいよ。じゃあこれ痛み止めの頓服薬ね。なるべく食後がいいね。」

会計を済ませて梨果と2人で家路につく。
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