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わたしの放課後
第13章 発情
 今日は朝から変な気分。『変な気分』なんて誤魔化した言い方で、おじさんのお店で読み漁っている本の表現を借りれば、ムラムラしている、盛っている、発情している…。理由はわかっている。からだのバイオリズム。発情期を迎えただけ。だから、シたい。ヤリたい。発情期じゃなくてもそんな気分のときもあるけど、今は、からだが強く主張しているような感じ。理性でそれを抑えることができなくてはいけないのだけど。発情期は特に妊娠しやすい時期なのだから。

 そんなことも保健の教科書にはちゃんと書いてある。授業でその単元になったとき、わたしはすごく恥ずかしかった。おじさんとセックスしたい…したいというか、ヤリたくてヤリたくてしょうがないということが何度もあったから。そういう誰にも言えないようなことを、授業で淡々と説明されて、わたしはひとりで恥ずかしくなっていた。ひとりでそわそわしてしまって、そわそわしているのを先生に見抜かれるではないかと勝手に身構えて、素知らぬ顔で席に座っているのだけど。

 周りにも同じような気持ちの子がいるんじゃないかと様子をうかがっていたけど、そんな子はひとりもいなかった。みんなだって、生理も来て定期的に発情期を迎えているはずなのに、どうやってやり過ごしているのだろう。先生にしてもそう。涼しい顔をして教科書の文章を読み上げているけど、実はうずうずしているんじゃないか、なんて。先生のスカートについ目が行ってしまう。

 学校が終わったらおじさんの家に直行すればいいと思っているわたし。スキンもちゃんとカバンに入れてある。そんなことを考えて時間が過ぎるのを待っている。顔だけは冷静を装って。

 はやくおじさんの家に行きたい。おじさんはいつも優しい。ゆっくり時間をかけてわたしを愛撫してくれる。おじさんがわたしの濡れ具合を指で感じてもすぐに挿入してくることはない。おじさんには言えないけど、今日みたいなときは、いつものおじさんの優しさがうっとうしく感じられてしまう瞬間がある。

 (もう、こんなに濡れているのだから、はやく、すぐに、挿れてほしい。ちょっとくらい乱暴に扱ってくれてもいいんです。喰い散らかしてもいいんじゃないですか、『据え膳』なんですから…)

 こんなことはおじさんにはとても言えないし、わたしも言ったことはないのだけれど。すごく大事にしてくれているのに、すごく心苦しい。
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