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わたしの日常
第4章 はじめての小旅行
 配膳すると仲居さんはそう言って部屋を出て行った。義父がお酒を注いでくれる。わたしも義父にお酒を注ぐ。盃を合わせてお酒を呑む。

 「お酒をいただくのは久しぶりです」
 「静かでいい宿だね。料理も美味い」
 「そうですね。お風呂も楽しみです」
 「一緒に入りたいものだが、そうもいかないね」

 「ほかにもお客さんがいましたしね。明日の晩はお家で一緒に入りましょうか」
 「ああ、そうだね。明日の夜ならまだそういうこともできるわけだ。そうしよう」

 食事を終えた頃合いに仲居さんが来て床を延べていく。整然とそしてぴったりとくっつけられて敷かれた布団を眺めていた義父が呟く。

 「お風呂はいつでも入れる…って言っていたね」
 「そうですね…」

 義父が掛け布団を剥いで横になる。

 「おいで」

 わたしも隣に添う。義父がわたしを愛撫し始める。温泉宿に泊まりに来てお風呂にも入らず交わりを始めようとしている義父とわたし。わたしに覆いかぶさって来た義父はいつになく気持ちが昂っているようだ。

 「芳美は今頃風呂にでも入っているのかな」

 興奮する気持ちをなだめようとしているのか、とってつけたように孫娘の話をする義父。掌はわたしの乳房を掴んで荒々しく揉んでいる。

 「そうかもしれませんね」

 修学旅行に出かけた娘をよそに家を空けて義父とまぐわっているわたし。返事をしたものの声は上ずっていたに違いない。義父もわたしも、お城を歩いている時からずっと食べたかったお互いの肉をたっぷり味わうと、そのまま眠りに落ちてしまった。

 日付が変わる頃に目が覚めた。化粧も落とさずに眠ってしまった。義父は隣の布団に移っている。

 「起きたかい。私もちょうど目が覚めたところだよ。風呂に行こうか。それにしても年甲斐もなく励んでしまったよ」

 廊下を歩いて風呂に着く。それぞれ暖簾がかかった男湯と女湯に分かれる。女湯には深夜なのに先客がいた。バスで一緒だった夫婦の一人だった。

 女の人は脱衣場の鏡の前でタオルを胸に巻いて立っている。顔を鏡に近付けて念入りに覗いている。こちらの気配を感じて振り向いて会釈した。こちらも会釈する。
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