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微熱に疼く慕情
第3章 【甘く麻痺していく心情】





(……わかった)



あら、素直……うん、それで良い
(ごめんな、幸せに出来なくて)って何?
今さら?もう大智には何も求めてないよ
元気で居てくれたらそれで……
後は幸せになって欲しい、かな?
あんな別れ方しちゃったけど、一応好きだった訳だし
懐かしさの余り、また寄り添っちゃったけどそれは本当の優しさじゃないしね
大智には、本当にちゃんと想ってくれる人の傍に居て欲しい
時々、私を思い出して惜しい事したなって後悔してくれたら、ざまぁ…だけどね



(結婚とか、するの?)


「え?まだ付き合い始めたばかりだし」


(本当に一華は好きなの?その彼の事…)


「好きだから付き合ったんだけど…?」



何よ、その顔……
でも手前に焦げた卵焼きが見えてるから笑いそうになる



「食べないの?温かいうちに食べなきゃ」


(もう会ってくれないの…?)


「……そうだね、今の彼氏に失礼でしょ?絶対良い気しないじゃん」


(俺は……会いたい、まだ全然、一華の事が必要だよ)


「ねぇ、もう別れたんだよ?元の関係に戻る事は100%ないって話したよね?今の大智は、好きっていう感情より、私に向けてるのは“依存”だよ…」



トドメの一撃……言葉を失ってる
これくらい突き放さないときっとわからない
テレビ電話で良かったと心底思った
会っていたら何されるかわかんないし……
もう流されちゃダメなんだ



(好きだから……依存しちゃうんじゃないの?それくらい好きだから……)



本当は嬉しいよ、そこまで想ってくれるのは
もう浮気したのだってとっくに許してるし、何とも思わなくなってる
けど、一生悔やめば良いとは思ってるよ
一緒になる気は更々ないんだから
ズルズル曖昧な関係を続けるのも違うと思ってるし
元カレだから余計に?






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