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第8章 綾乃と綾

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「　お母さん・・・　」

康二は唐揚げに伸ばした箸を止め
綾乃を見た　

「　お母さんに来て貰おうと思うの　明日から働くから　」

成田家の夕食、康二は綾乃を見て

「　働くって？　どうして？　」

「　月曜　お金振り込んで来たの　これから
　　毎月振り込む事考えたら・・・・　」

疑問を浮かべて綾乃を見ていた、康二は項垂れた

「　それで　今日面接して貰って　明日から　」

「　仕事は？　」

「　経理事務　高校の時の先輩　ご主人が
　　福岡へ転勤に　付いて行くんで　今日で
　　退職するの　その後を任されたの　」

あく迄も　先輩の紹介と告げ
山田の紹介を綾乃は告げ無かった

「　土曜日　母の処に行ってくる　」

綾乃の母は、電車で2時間程、隣県の街外れに
住まいを構え、３年前父親が亡くなり今は
一人で住んでいる、綾乃は父が亡くなり
半年が過ぎて　訪ねた日の事を思い出す