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第8章 綾乃と綾

ベージュを基調とした壁紙、柔らかな色合いの部屋
男と女が逢瀬を、恋人が夫婦が、不倫の二人が
肌を重ね、愛情を確かめ快楽を貪り合う部屋

入り口にポツンとソファーを置き　部屋の中央に
大きなベッドが、白い裸体を横向きに　豊満な胸が
静かに上下を繰り返し、激しい情事の余韻は汗に濡れた
顔に髪が付き、揃えた白い太腿の際の黒い陰りを見せていた

両手を前に伸ばし、白い大きな乳房を見せていた綾乃の
目が開く、添い寝をしていた和彦が手を伸ばし
綾乃は頭を上げ、和彦の腕に頭を乗せ裸の胸に手を伸ばし
白い太腿を和彦の足に絡め、大きな乳房が形を変えた

「　寝てました？　」

「　5分位かな　」
綾乃の白い背中に手を回し抱き寄せ

「　早紀とやり直す事にしました　」
諦めた様に呟いた　胸に顔を乗せていた綾乃の頭が
微かに動き、和彦の次の言葉を待った　

前週の土曜日

忸怩としたまま　布団に横に成り煙草の煙を
天井に吐き出し　吐き出す紫煙が薄く成り
蛍光灯の明かりに消えていく、

和彦は手に持つ煙草を唇に当て、
肺の中に紫煙を送り込んだ時
ノックの音の後、早紀が項垂れたまま部屋の中に
和彦の寝ている布団の足元に座り、小さな声で

「　ごめんなさい・・・・・　」

涙を浮かべた目で、和彦を見下ろした