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雨が好き
第78章 昼間の夢
「コーヒーを・・・もっとおいしく淹れられるように・・・なりたい・・・かも」

すごく遠慮がちになってしまう。
だって、そうだ。
みんな、ちゃんとずっと考えていた抱負、なのに、私はたった今、思いついたこと。

恥ずかしくなってしまう。

「え!いいじゃん!みなとちゃんのコーヒーめっちゃおいしいから!
 もっと美味しくするってどうするの!?」

水際さんが言う。
蒼人さんも、うんうん、と頷いていて、お母様も目を細めている。

なんだか、背中を、とん、と押された気がした。
私の中にあった、ほんの小さな夢の芽が、力強くなったように思えた。

「見てみて!研修とかあるっぽいよ!」
水際さんがスマートフォンで早速何かを調べているみたいで、
蒼人さんにもそれをずいと見せている。
「こんなにたくさん資格あるんだなあ」
そんな風に言う。

しばらく、わいわいと、コーヒーの淹れ方を勉強する方法について、
みんなで話したりした。
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