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雨が好き
第67章 クリスマス・ディナー
【クリスマス・ディナー】

「みなとさん!」
蒼人さんが手を振って声をかけてくれた。
今日はクリスマス・イブ・・・の前の日。
時刻は午後の3時。
蒼人さんが車で『みなと町』まで迎えに来てくれた。

蒼人さんの車はちっちゃくて可愛らしい感じの軽自動車だった。
色は薄いピンク色。

「中古なんですけどね」
そう言って、恥ずかしそうに頭を掻いていた。

「彼女を乗せる日が来る・・・ってわかっていたら、もう少し奮発すればよかったです」
などと言うものだから、私はちょっと顔が赤くなってしまう。

私の方はというと、いつもの準備。
水筒にホットのカフェラテ
それ以外に、バスケットにデザートとして、ぶどうといちごも持っていくことにする。
食事をするところはある、ということなので、サンドイッチはなしだ。

夜は寒いから、と防寒着とかいろいろ、いろいろ。
荷物を車の後ろに詰めて、いざ出発。

「行ってらっしゃい」
お父さんが手を振った。
「行ってきます」
私は助手席で軽く手を振る。
運転席でハンドルを握っている蒼人さんも、お父さんに「行ってきます」と言った。

今日、私達は、車で1時間半ほどの場所にある山の上を目指すことにしていた。
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