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雨が好き
第7章 みなと町

【みなと町】
お花屋さんで声をかけてしまった私は、どうしていいかわからず、
蒼人さんを『みなと町』に誘ってしまった。
お店には、お客さんがいなかったので、ちょうどよかった
蒼人さんにはカウンターに座ってもらい、
私はエプロンをして、店員さんになった。
「あの・・・えっと・・・ハンカチきれいにしてくれた、お礼です」
自分でも、すごく変なことを言っていると思う。
でも、それしか思いつかなかった。
そして、そっと、私が淹れたコーヒーを、彼の前に置いた。
コーヒーから立ち上るいつもの香気
お父さんは、カウンターの奥で新聞を読んでいる。
お客さんは、今、蒼人さんひとりだった。
「すごい・・・いい匂いだ」
蒼人さんは、カップを持ち上げ、
香りを味わうように大きく息を吸った。
それを見て、私は持っていたお盆をぎゅっと胸に抱きしめる。
自然と息を詰める。
お花屋さんで声をかけてしまった私は、どうしていいかわからず、
蒼人さんを『みなと町』に誘ってしまった。
お店には、お客さんがいなかったので、ちょうどよかった
蒼人さんにはカウンターに座ってもらい、
私はエプロンをして、店員さんになった。
「あの・・・えっと・・・ハンカチきれいにしてくれた、お礼です」
自分でも、すごく変なことを言っていると思う。
でも、それしか思いつかなかった。
そして、そっと、私が淹れたコーヒーを、彼の前に置いた。
コーヒーから立ち上るいつもの香気
お父さんは、カウンターの奥で新聞を読んでいる。
お客さんは、今、蒼人さんひとりだった。
「すごい・・・いい匂いだ」
蒼人さんは、カップを持ち上げ、
香りを味わうように大きく息を吸った。
それを見て、私は持っていたお盆をぎゅっと胸に抱きしめる。
自然と息を詰める。

