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女性のための犯され短編集
第22章 陰謀王子に犯される
神聖なる大聖堂の鐘が、荘厳に鳴り響いていた。
ステンドグラスから差し込む柔らかな光が、純白のドレスを纏った美しき令嬢を照らす。彼女は祭壇の前で若き王子と向かい合う。
神父の声が聖堂に響いた。
「汝、この者を生涯の伴侶として、喜びも悲しみも共にし、支えることを誓いますか」
彼女は目を逸らさず、毅然と答えた。
「はい、誓いましょう」
声に迷いはなく、照れる素振りもない。
公爵令嬢として、幼い頃からこの日のために育てられてきた。皇女となる運命を彼女はとっくに受け入れている。
傍らの王子は穏やかな微笑を浮かべて、そんな彼女の手を取った。
彼の瞳には満足げな光が宿っていた。
会衆の視線が二人に注がれる。この結婚は、貴族たちの祝福の拍手に満たされていた。
だが──彼女の心は──
「──…」
彼女の心は、冷え切っていた。

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