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第3章 　　罪人　長澤 慶子　　

受信
From 慶子
2024-12-11 05:27
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以前、私のスーパーの鮮魚商品で良くない物が出てしまった事があるのです。
その時に彼がそれを見付けて下さったのです。

彼が見付けて私に教えて下さり、同じ商品を全てすぐに棚から回収しました。
数を確認したところ、既に2個お客様が買われてしまった後でした。

私のスーパーでは天然の鮮魚商品も扱っていますので、十分注意しなければいけないのです。
加工からパック詰めまでは、必ず2人以上で確認しているので、その時はそれは表面にはいなかったのだと思います。

でも時間が経過して身の中から表面に出てくる事があります。

その商品は私が陳列した商品でした。
私の注意不足だったのです。

お客様が買われてしまった2個が心配でした。
お客様が見付けて、保健所に苦情を言う事があります。
もし食べられたお客様が食中毒になられたら、検査を行った病院が保健所に届けます。
最悪の場合は数日間の営業停止もあるのです。

私はその日、生きた心地がしませんでした。

翌日、その2個を買ったのはうちの従業員だった事が分かりました。
まだ食べていなかったそうです。
確認して貰ったらそれはいなかったそうですが、念の為に食べずに破棄して貰う事になりました。

結局お客様は誰も買われなくて、食中毒も起きませんでした。
もし彼が見付けてくれなかったらどうなっていたか、考えると怖くてなりません。

私は彼に助けられたのです。
彼は私の恩人です。

私は彼に受けたご恩をお返ししたいです。
彼の為なら、私はどんな事でもします。
彼の事が好きなんです。
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