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天狐あやかし秘譚
第73章 動如雷霆(どうじょらいてい)
☆☆☆
「こいつの腹掻っ捌けばいいんかいな?
 そもそも、こいつ自身の神宝はどこにあんねん」

土御門が土門や左前とカダマシの処遇について話し合っている中、私は瀬良から事の次第を聞くことができた。

私がさらわれた後、カダマシが化けた京本という男が陰陽寮に尋ねてきたこと。
京本とダリが東北の山中で神宝『死返玉』を見つけたこと。
ダリの腕が死返玉ごと『大口真神』となったカダマシに食いちぎられて、今もその腹の中にあること。
ダリの裾についていた発信機をカダマシが飲み込んだことで、行く先が絞れ、土門さんの占いの結果も受けて、私の居場所が特定できたこと。

などなど。

一番疑問だった、『なんでみなさんが空から降ってきたの?』という問いに対して瀬良はちょっとだけ顔を引き攣らせて事情を説明してくれた。

私達の居場所が特定され、すぐに土御門は航空機を手配して自分を中心にした増援部隊を送ることを決めたそうだ。瀬良によれば陰陽寮には自衛隊にも配備されている最新鋭の航空機が何台かあるそうで、それを使って救出に向かおうという話になったみたいだ。

「土御門様は本当はF15を使おうと言ったんです。でも・・・」

F15といえば戦闘機である。これは定員の問題で排除された。二人乗りだし、乗り捨てるわけにはいかない。

そこで次の案として出たのが、ヘリコプターだったそうだ。
軍用の多用途ヘリコプターを用いることになった。

「なったのはいいのですが・・・」

軍用のヘリコプターの最高速度は296キロ/時だそうだ。東京から島根県松江市までは約600キロ。

『間に合わへん』

そう言った土御門が取った手段は、式神の力での加速、だそうだ。

「六合(りくごう)という木気を使う天将の力で、追い風を発生させて、無理矢理に時速を400キロ近くまで高めました。ヘリコプターの耐久性のギリギリ・・・」

さらに言えば、着陸して移動の手間を省くためにろくに訓練もしていないパラシュート降下をさせられた・・・と。

肝が座っている左前や大鹿島はともかく、高所恐怖症の土門は文字通り歯の根が合わなかったらしい。私も・・・と言いかけたところを見ると、瀬良も相当恐ろしい思いをしたようだ。
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