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天狐あやかし秘譚
第71章 其疾如風(きしつじょふう)

☆☆☆
「わかったのです!これが綾音さんの居場所なのです!!」
廟から飛び出した土門が叫ぶ。占部の事務室内のスタッフが一斉にそれに振り返った。さすが情報班だけあって、それぞれの動きは迅速だった。
冴守はデータベース上でその情報を検索、建物の名称、地権者情報、賃貸契約の状況などを調べ始める。
設楽は本部への連絡を、廣金は先程まで作っていたアジトの候補マップに土門からの情報を加えて、シミュレーションにより敵の次の動きの予測に入っていた。
そして、土門自身は事務室内でおもむろに白拍子を脱ぎ捨てていた。
「ちょ・・・土門様!」
これには普段から彼女の奇行に慣れている占部のスタッフも目を剥く。そんなことには構わず、土門はあっという間に、上半身は短いタンクトップ、下半身はショーツ一枚の姿になっていた。
「ちまちま更衣室なんか行ってられません!
土御門さんの次の行動くらい、お見通しなのですから!」
おもむろに自席にある服とバックを引っ掴んで、そのまま廊下に飛び出していった。
しばし、呆然とするスタッフたち。
「あれ・・・止めたほうが良かったのでは?」
10秒ほどして、廣金が発言した。
「いや・・・あの方は何を言っても無駄だ」
冴守がポツリと言った。
そして、それ以上、何も言うことがない、ということをその場にいた占部衆のスタッフ全員が悟ったのか、そのまま粛々と業務が再開された。
「わかったのです!これが綾音さんの居場所なのです!!」
廟から飛び出した土門が叫ぶ。占部の事務室内のスタッフが一斉にそれに振り返った。さすが情報班だけあって、それぞれの動きは迅速だった。
冴守はデータベース上でその情報を検索、建物の名称、地権者情報、賃貸契約の状況などを調べ始める。
設楽は本部への連絡を、廣金は先程まで作っていたアジトの候補マップに土門からの情報を加えて、シミュレーションにより敵の次の動きの予測に入っていた。
そして、土門自身は事務室内でおもむろに白拍子を脱ぎ捨てていた。
「ちょ・・・土門様!」
これには普段から彼女の奇行に慣れている占部のスタッフも目を剥く。そんなことには構わず、土門はあっという間に、上半身は短いタンクトップ、下半身はショーツ一枚の姿になっていた。
「ちまちま更衣室なんか行ってられません!
土御門さんの次の行動くらい、お見通しなのですから!」
おもむろに自席にある服とバックを引っ掴んで、そのまま廊下に飛び出していった。
しばし、呆然とするスタッフたち。
「あれ・・・止めたほうが良かったのでは?」
10秒ほどして、廣金が発言した。
「いや・・・あの方は何を言っても無駄だ」
冴守がポツリと言った。
そして、それ以上、何も言うことがない、ということをその場にいた占部衆のスタッフ全員が悟ったのか、そのまま粛々と業務が再開された。

