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天狐あやかし秘譚
第66章 奸智術数(かんちじゅっすう)

飯ぐらい、そのへんに転がってるのを勝手に食えよ!
という言葉が喉元まででかかったが、お館様の言いつけもあり、そんな事を言うわけには行かない。見えないようにため息をつくと、クチナワと呼ばれた男は、なるたけ柔らかい表情を作ってもう一度少女の方を見た。
「麻衣ちゃん、お腹減ったのかい?ちょっと待ってな。お兄ちゃんもそろそろ夕食にしようかと思ってたところだ。準備するからね。あっちの部屋に行って待っててくれるかな?」
柔らかな表情と猫なで声が功を奏したのか、少女は「うん!」と頷くと、部屋から離れていった。
クチナワは椅子から立ち上がると、女をもう一度見て少しだけ逡巡する。
・・・お館様は裾張蛇も使えと言ってたが・・・
一瞬、裾張蛇も召喚をしようかと思いかけたのだが、「お兄ちゃーん!」という声が聞こえてきたので、後回しにすることにした。
まあ、いいか・・・モミだけでも本当は十分なんだしな・・・
「はい、はーい!今行くよ!麻衣ちゃん!!」
クチナワが部屋を離れる。
後に残された女は、頬を染め、「う・・・ん・・・」と少しだけうなされる。
額が汗ばみ、漏れる吐息は熱くなり始めていた。
全身の血管が広がり、頬のみならず、肌が紅潮し、桜色に変わっていった。
それは、この女、綾音が、性的に興奮し始めていることを意味していた。
という言葉が喉元まででかかったが、お館様の言いつけもあり、そんな事を言うわけには行かない。見えないようにため息をつくと、クチナワと呼ばれた男は、なるたけ柔らかい表情を作ってもう一度少女の方を見た。
「麻衣ちゃん、お腹減ったのかい?ちょっと待ってな。お兄ちゃんもそろそろ夕食にしようかと思ってたところだ。準備するからね。あっちの部屋に行って待っててくれるかな?」
柔らかな表情と猫なで声が功を奏したのか、少女は「うん!」と頷くと、部屋から離れていった。
クチナワは椅子から立ち上がると、女をもう一度見て少しだけ逡巡する。
・・・お館様は裾張蛇も使えと言ってたが・・・
一瞬、裾張蛇も召喚をしようかと思いかけたのだが、「お兄ちゃーん!」という声が聞こえてきたので、後回しにすることにした。
まあ、いいか・・・モミだけでも本当は十分なんだしな・・・
「はい、はーい!今行くよ!麻衣ちゃん!!」
クチナワが部屋を離れる。
後に残された女は、頬を染め、「う・・・ん・・・」と少しだけうなされる。
額が汗ばみ、漏れる吐息は熱くなり始めていた。
全身の血管が広がり、頬のみならず、肌が紅潮し、桜色に変わっていった。
それは、この女、綾音が、性的に興奮し始めていることを意味していた。

