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天狐あやかし秘譚
第63章 暗中模索(あんちゅうもさく)
例えば、虫を操る『虫肩巾』を持っていたシラクモ・・・シラクモとは頭部の白癬を表しているという。白髪である、という彼の身体的特徴と、シラクモの『蜘蛛』を掛けた、というわけだ。またイタツキとは、古語「いたつく」つまり、病気になる、から来ている。イタツキであるところの名越颯馬は重い病にかかっており、彼に与えられていた力は病を払う『足玉』だった。

「まあ、カダマシというのがもし、古語の『かだまし』に由来するとすれば、その意味するところは『心がねじ曲がっとる』ちゅうことだから・・・生玉の持つ肉体強化とあんま関係ない気がするがな」
とは土御門の言葉であるが、結局、その大男は二人の人間に重傷を負わせ、女性を力付くでレイプしたのだから、心がひねくれているに違いない。まあ、それは児童に蛇をけしかけたヘビ男にも言えることだけど・・・。

「っちゅーわけで、この事件、『まつろわぬ民』の関与が疑われるわけや。大事な点は、奴らがこれほどの騒ぎを起こしてまで、児童をひとり誘拐したということや。ホシガリ様事件や疱瘡神事件での奴らの行動傾向から考えるに、奴らの目標は神宝の探索、ということやと推測しとる。」
土御門の説明を土門が引き継ぐ。

「攫われた子供は、片霧麻衣10歳です。先に発生した能登半島地震の震災孤児です。まつろわぬ民がこの少女だけを特別に攫ったことには意味があると考えているのです。可能性は2つ。ひとつはこの少女が何らかの意味で神宝を探す鍵になること」

先程まつろわぬ民が保有しているとされた6つの神宝に加えて、生玉と蛇肩巾が奴らの手にあるとすると、残りの神宝は『死返玉』と『辺津鏡』だそうだ。そのどちらか、もしくはどちらもかもしれないが、を見つけるための特別な力がこの片霧麻衣という少女に眠っているというのが、1つ目の仮説だそうだ。

「もうひとつの仮説は、この少女が神宝の適合者である、という可能性なのです」

なんでも、神宝は誰もが扱えるわけではないらしいのだ。適合者と呼ばれる、その神宝に合った体質の人ではないと、使ったり、下手したら手に取っただけでも死んでしまう、らしい。その点のことは、先日の疱瘡神事件のあと、名越家の闇について瀬良が教えてくれたときに合わせて話してくれたことだった。
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