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天狐あやかし秘譚
第125章 危機一髪(ききいっぱつ)
声とともにどこからともなく放たれた九条の雷がスクセに向かって走る。
「っ!?」
突然の砲撃に虚を突かれたスクセが慌ててそちらに向き直り、八握剣の力をそちらに向け、雷の矢を叩き落とす。しかし、そのせいでダリに向ける力が大きく削がれてしまう結果になってしまった。
そのチャンスを天狐は見逃さない。
素早く天魔反戈を引き寄せると力任せにスクセを押しのけて見せた。
ドン!
低い音が響き、スクセが森まで吹き飛ばされ、その衝撃で太さ2メートルはあろうかという大きな木が、その根本からへし折れてしまった。
「はあ、はあ・・・」
倒れた木の巻き上げる土煙の中、ゆらりとスクセが立ち上がる。
誰だ!?
八握剣を地面に突き刺し、それにしがみつくようにして立ち上がったスクセは先程の雷撃が放たれたと思しき方向に目をやった。
土煙の向こう、二人の人が立っている。
ひとりは白拍子のような格好をした女陰陽師だった。
そしてもうひとりは・・・
「あの女・・・っ!」
スクセがそう言ったと同時に、ダリもその女性の姿を捉えていた。
「綾音・・・っ!?」
そこには、弓を左手に持ち、天狐の方に心配げに目を向けている浦原綾音がいたのだった。
「愚か者!・・・御池!まだ早い」
ダリが叫ぶ。その言葉には白拍子姿の陰陽師、御池ではなく、綾音が答えた。
「ダリ!大丈夫・・・予言の光景は昼だった!
まだ夜は明けていない。予言が絶対に当たるなら、私はまだ死なないんだから!」
そう言って、腰に据えた矢筒から矢を一本引き抜くと、弓に矢をつがえる。瞬間、ボワッと弓と矢が青白く光り輝き、木気の霊力を放った。
「土門さんに借りたの・・・宝生前さんの石釘と同じ理屈・・・霊力が籠もった弓と矢だから、私でも術が使える!」
そして、スクセに向け、呪言とともにもう一度矢を放つ。
「木気・召雷一閃!」
綾音の声に呼応し、退魔の紫電を纏った白矢が、空を裂いてスクセに襲いかかった。
「チッ!」
スクセは舌打ちをすると、八握剣を振り上げてその矢を消し飛ばす。
なんで、なんで・・・あいつがここに来るんだ!?
「お前の死の運命は決まっている!
わざわざ死ににきたか!」
苛つきが頂点に達したスクセが声を張り上げた。だが、それは、精一杯の虚勢にすぎない。心の内は乱れに乱れていた。
「っ!?」
突然の砲撃に虚を突かれたスクセが慌ててそちらに向き直り、八握剣の力をそちらに向け、雷の矢を叩き落とす。しかし、そのせいでダリに向ける力が大きく削がれてしまう結果になってしまった。
そのチャンスを天狐は見逃さない。
素早く天魔反戈を引き寄せると力任せにスクセを押しのけて見せた。
ドン!
低い音が響き、スクセが森まで吹き飛ばされ、その衝撃で太さ2メートルはあろうかという大きな木が、その根本からへし折れてしまった。
「はあ、はあ・・・」
倒れた木の巻き上げる土煙の中、ゆらりとスクセが立ち上がる。
誰だ!?
八握剣を地面に突き刺し、それにしがみつくようにして立ち上がったスクセは先程の雷撃が放たれたと思しき方向に目をやった。
土煙の向こう、二人の人が立っている。
ひとりは白拍子のような格好をした女陰陽師だった。
そしてもうひとりは・・・
「あの女・・・っ!」
スクセがそう言ったと同時に、ダリもその女性の姿を捉えていた。
「綾音・・・っ!?」
そこには、弓を左手に持ち、天狐の方に心配げに目を向けている浦原綾音がいたのだった。
「愚か者!・・・御池!まだ早い」
ダリが叫ぶ。その言葉には白拍子姿の陰陽師、御池ではなく、綾音が答えた。
「ダリ!大丈夫・・・予言の光景は昼だった!
まだ夜は明けていない。予言が絶対に当たるなら、私はまだ死なないんだから!」
そう言って、腰に据えた矢筒から矢を一本引き抜くと、弓に矢をつがえる。瞬間、ボワッと弓と矢が青白く光り輝き、木気の霊力を放った。
「土門さんに借りたの・・・宝生前さんの石釘と同じ理屈・・・霊力が籠もった弓と矢だから、私でも術が使える!」
そして、スクセに向け、呪言とともにもう一度矢を放つ。
「木気・召雷一閃!」
綾音の声に呼応し、退魔の紫電を纏った白矢が、空を裂いてスクセに襲いかかった。
「チッ!」
スクセは舌打ちをすると、八握剣を振り上げてその矢を消し飛ばす。
なんで、なんで・・・あいつがここに来るんだ!?
「お前の死の運命は決まっている!
わざわざ死ににきたか!」
苛つきが頂点に達したスクセが声を張り上げた。だが、それは、精一杯の虚勢にすぎない。心の内は乱れに乱れていた。

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