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天狐あやかし秘譚
第116章 疑心暗鬼(ぎしんあんき)
☆☆☆
本庁とのオンライン会議が始まった。
あちらの参加者は土御門、瀬良、左前、大鹿島、土門、そして、暦部門の高森と、彼女と同じ図書衆(ずしょしゅう)の蘇芳(すおう)という男性陰陽博士だった。京都支部の方の参加者は御池と私はもちろん、京都支部の支部長である烏丸である。今回は、私のことを心配してくれてだと思うが、後ろの方でダリも聞いていてくれていた。
暦部門の調査結果はパッとはしていなかった。そもそも緋紅たちが使っている神宝・・・正式名称『十種の神宝(とくさのかんだから)』は失われて久しい呪具であり、それについて記載されている文献そのものが少ないらしい。また、たとえあったとしてもそれは逸文(いつぶん)と呼ばれる、他書で部分的に引用され、その存在が示唆されているような断片的な情報がほとんどなのだそうだ。
「現在、いくつかの逸書(いっしょ:書物が失われていること)を輯佚(しゅういつ:別々の書籍の引用文などから書物の内容を復元すること)しているところです。記述内容も古く、その多くが不明瞭な文章で書かれているため、作業に時間がかかっています」
とは、高森の部下である蘇芳の言い分だった。
それと並行して占部では現在押収されている神宝の解析、DVD画像の分析が進められているが、こちらも、明確な結果が出るまでにはまだ時間がかかりそうということだった。
最後に左前から、祓衆によるカダマシこと京本雄一及びイタツキこと柳田竜二からの事情聴取の結果について話があったが、こちらもまた難航しているらしい。
ふたりとも長いこと緋紅やスクセらと同じ『屋敷』に住んでいたものの、ほとんど他の神宝使いとの交流がなかったし、他の神宝について話を聞いたこともなかったようなのだ。彼らの記憶だけが頼りの部分も大きいので、現在は司法面接の手法を用いて辛抱強く聴取をおこなっているところなのだそうだ。
結局、本庁からの話を要約すると『まだほとんど何もわかってない』ということなのである。
ただ、それでも進展はゼロではなかった。
DVDを分析していた土門が言うには、宝生前も御九里もおそらく沖津鏡の力ではない別の能力で意識を奪われているらしいことはほぼ確実なのだそうだ。そこからわかることは、今回の件に絡んでいる神宝使いが二人以上であるという可能性である。
本庁とのオンライン会議が始まった。
あちらの参加者は土御門、瀬良、左前、大鹿島、土門、そして、暦部門の高森と、彼女と同じ図書衆(ずしょしゅう)の蘇芳(すおう)という男性陰陽博士だった。京都支部の方の参加者は御池と私はもちろん、京都支部の支部長である烏丸である。今回は、私のことを心配してくれてだと思うが、後ろの方でダリも聞いていてくれていた。
暦部門の調査結果はパッとはしていなかった。そもそも緋紅たちが使っている神宝・・・正式名称『十種の神宝(とくさのかんだから)』は失われて久しい呪具であり、それについて記載されている文献そのものが少ないらしい。また、たとえあったとしてもそれは逸文(いつぶん)と呼ばれる、他書で部分的に引用され、その存在が示唆されているような断片的な情報がほとんどなのだそうだ。
「現在、いくつかの逸書(いっしょ:書物が失われていること)を輯佚(しゅういつ:別々の書籍の引用文などから書物の内容を復元すること)しているところです。記述内容も古く、その多くが不明瞭な文章で書かれているため、作業に時間がかかっています」
とは、高森の部下である蘇芳の言い分だった。
それと並行して占部では現在押収されている神宝の解析、DVD画像の分析が進められているが、こちらも、明確な結果が出るまでにはまだ時間がかかりそうということだった。
最後に左前から、祓衆によるカダマシこと京本雄一及びイタツキこと柳田竜二からの事情聴取の結果について話があったが、こちらもまた難航しているらしい。
ふたりとも長いこと緋紅やスクセらと同じ『屋敷』に住んでいたものの、ほとんど他の神宝使いとの交流がなかったし、他の神宝について話を聞いたこともなかったようなのだ。彼らの記憶だけが頼りの部分も大きいので、現在は司法面接の手法を用いて辛抱強く聴取をおこなっているところなのだそうだ。
結局、本庁からの話を要約すると『まだほとんど何もわかってない』ということなのである。
ただ、それでも進展はゼロではなかった。
DVDを分析していた土門が言うには、宝生前も御九里もおそらく沖津鏡の力ではない別の能力で意識を奪われているらしいことはほぼ確実なのだそうだ。そこからわかることは、今回の件に絡んでいる神宝使いが二人以上であるという可能性である。

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