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天狐あやかし秘譚
第116章 疑心暗鬼(ぎしんあんき)
今回、ダリが作戦に参加しなかったのは、戦力の温存という観点もあるが、私にかけられた呪を解くときにダリの力が必要になる可能性があるからだ。そして、暦部門、占部衆が総力を上げて調べているのだが、未だに私にかけられた『未来視の呪い』とでもいうべき呪を解除する方法を見つけることはできていないのだ。

でも結局、そんな事を考えて、ダリを出し惜しみした結果が人質を増やすことに繋がったのだ。最初からダリが行ったほうがよかったのかもしれないとも思ってしまう。

敵はどういうわけかダリを鞍馬山に呼び寄せようとしている。何か罠を張っていると考えるべきだ。本当はダリだけではなく京都支部全員で乗り込んでいくくらいしたいのだが、映した者の未来の死を『確定』してしまう沖津鏡の力を一気に発動されれば、京都支部全滅という恐れもあるため、おいそれとそれもできない。

今、どうするのが一番良いのか。
考えることが多すぎてわけがわからなくなってきてしまう。

御池によると、この後、本庁にいる土御門以下各衆長と、京都支部の面々でオンライン会議があるそうで、私にも参加しろというお達しが出ているとのことだった。

時計を見ると、もうすでに午後2時になろうとしている。それはつまり、宝生前たちが捕らえられたと推測される時からすでに10時間が過ぎており、私の確定した死が訪れるまで、あと1日半ほどであることを意味していた。
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