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天狐あやかし秘譚
第97章 【第19話:地狐】温慈恵和(おんじけいか)
☆☆☆
「んで?・・・この娘は何なの?」
取り乱した息を整え、改めて私はダリに問う。
私の前にダリ、そして『サナ』が座っている。サナはダリにべったりとくっついて座っていた。ダリが、明らかに困惑した表情で目を泳がせていた。アニメ等だったら、額からたらりと冷や汗をかいている描写が似合いそう・・・そんな顔をしていた。
「だ・れ・なの?」
私は、努めて冷静に、穏便に、可愛らしく、もしかしたらこめかみに青筋のひとつも浮いていたかもしれないが、それでも優しく問いかける。
「いや・・・」
すいと、ダリが私からあからさまに目をそらす。なにか、やましいことがあるのだろうか!?
その様子に私の心はますますヒートアップしそうになる。
「ご安心ください、綾音様。サナは、ダリ様の・・・第一の眷属にございます」
サナが説明するところによると、彼女の本当の名前は佐那姫。地狐というのは私の予想通り狐の妖怪の階級のようなものを表すらしい。どうやら地狐はその中でも下から2番目に位置するようだった。
「佐那は、1200年ほど前、人々をたぶらかし、田畑を荒らす悪い野狐(やこ)にございました。そして、いたずらが過ぎたわたくしは、当時、怒り狂った里人に山に追い込まれ、あわや袋叩きに・・・となってしまったのです。そこに、颯爽と現れ、私を救ってくださったのが・・・」
佐那が胸の前で指を組んでキラキラとした目でダリを見つめる。
「天地を貫くほどの力、陽の光のような美貌、大海原とみまごう慈しみ・・・そんな神の如く麗しいダリ様が私を救ってくださったのです!!!佐那は・・・佐那は・・・その時思ったのです。ああ・・・わたくしのこの命、このお方に全て捧げ尽くそうと!」
はあ・・・要は悪事を働いていた狐が叩きのめされそうだったのをダリが助けて、それ以来惚れられたということ?
「それから、わたくしはダリ様のもとで修養を重ねました。妖力の使い方を学び、大地神霊から力を得るすべを覚え、そして、ダリ様とのまぐわいを重ね、妖力を蓄えて、そしてついに、『野狐』から『地狐』へと昇格することがかなったのです!」
ええっと、要はダリが修行をつけてやって、術を教えてやって、そして・・・ん?まぐわい?
ピクっ・・・とこめかみが反応する。
「んで?・・・この娘は何なの?」
取り乱した息を整え、改めて私はダリに問う。
私の前にダリ、そして『サナ』が座っている。サナはダリにべったりとくっついて座っていた。ダリが、明らかに困惑した表情で目を泳がせていた。アニメ等だったら、額からたらりと冷や汗をかいている描写が似合いそう・・・そんな顔をしていた。
「だ・れ・なの?」
私は、努めて冷静に、穏便に、可愛らしく、もしかしたらこめかみに青筋のひとつも浮いていたかもしれないが、それでも優しく問いかける。
「いや・・・」
すいと、ダリが私からあからさまに目をそらす。なにか、やましいことがあるのだろうか!?
その様子に私の心はますますヒートアップしそうになる。
「ご安心ください、綾音様。サナは、ダリ様の・・・第一の眷属にございます」
サナが説明するところによると、彼女の本当の名前は佐那姫。地狐というのは私の予想通り狐の妖怪の階級のようなものを表すらしい。どうやら地狐はその中でも下から2番目に位置するようだった。
「佐那は、1200年ほど前、人々をたぶらかし、田畑を荒らす悪い野狐(やこ)にございました。そして、いたずらが過ぎたわたくしは、当時、怒り狂った里人に山に追い込まれ、あわや袋叩きに・・・となってしまったのです。そこに、颯爽と現れ、私を救ってくださったのが・・・」
佐那が胸の前で指を組んでキラキラとした目でダリを見つめる。
「天地を貫くほどの力、陽の光のような美貌、大海原とみまごう慈しみ・・・そんな神の如く麗しいダリ様が私を救ってくださったのです!!!佐那は・・・佐那は・・・その時思ったのです。ああ・・・わたくしのこの命、このお方に全て捧げ尽くそうと!」
はあ・・・要は悪事を働いていた狐が叩きのめされそうだったのをダリが助けて、それ以来惚れられたということ?
「それから、わたくしはダリ様のもとで修養を重ねました。妖力の使い方を学び、大地神霊から力を得るすべを覚え、そして、ダリ様とのまぐわいを重ね、妖力を蓄えて、そしてついに、『野狐』から『地狐』へと昇格することがかなったのです!」
ええっと、要はダリが修行をつけてやって、術を教えてやって、そして・・・ん?まぐわい?
ピクっ・・・とこめかみが反応する。

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