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The Bitch (ザ、ビッチ)
第7章 2024年3月17日日曜日
 9

「え、あ、ち、違う、違います…」
 彼女は急に慌て、狼狽えてくる。

 それはそうであろう…
 まさかの予想外のわたしの反撃だから。
 
 いい人であり、常識人である筈の元教師は素直に引くと間違いなく思っていたのであろうから…
 そしてわたし自身も答えは決まってはいるのだが、なぜか素直にはなれなくなってしまってきていた。

「そりゃぁさぁ、偶然にもさぁ、和哉のXを見つけて読んでさぁ…
 なんとなくある程度は分かっているつもりだけどさぁ…」

「……………」
 今度は彼女が黙ってしまう。

 そして膝に置いてある手の指先が、更に動揺からなのか、震えてきていた…

 その様子を見て、少し、キツ過ぎかな?…
 と、思ったのではあるのたが、ビッチ女のスイッチが入ってしまった今、少し止めようが無かった。

「和哉とわたしは昨日今日の関係なんかじゃないのよ」
 そう、もう約2年に近い。

「なかなかさぁ、はい、そうですかってはねぇ…」
 ビッチさが止まらない。

「……………」
 すると彼女は目から涙を溢し、キッとわたしを見つめ、いや、睨んでくる…
 だが、その目からは怒りや憎しみ等は伝わってはこない。

 そう、その涙目は…
 彼女自身の内面的な悔しさ?、の感じが見て取れたのだ。
 
 うん、悔しさ?、え、何に?

 何に対しての悔しさなのか?

 え、わたし、いや、わたしに対してではないみたい…

 じゃぁ、やっぱり彼女自身の悔しさなのか?…

 わたしはその涙目を見て、一瞬にしてそう感じ、心の中で逡巡をする。

 すると…

「わ、わたしが、いや、わたしがズルいのは…分かってはい、いるんです…」

 そして彼女は、心の慟哭を吐き出してきたのだ…




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