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ママ活
第6章 幸せにしてくれるのはママ?

 佐和子達の近くで食卓を囲う二人の大人と一人の少女は、笑顔だ。
 おそらく家族の彼女達は、何かの撮影かと勘繰るくらい見栄えが良い。生まれる前、生きる場所を選ばせてもらったのではないかとまで想像する。

 宮田は昔話を続けた。

 彼の経営しているデートクラブには、稼ぐためには手段を選んでいられない類の女もいる。
 当時の明咲もそうだった。若さに見合わず、彼女は事情も理不尽だった。


「オレは、佐和子なら悪いようにはしないと見込んでいた。こんな後腐れプレイを思いつくとは思わなかったが」


 善人か悪人か見分けのつかない顔を崩して、宮田がグラスを持ち上げた。

 佐和子の何を知っていて、何を根拠に、宮田はこの悪友を信頼したのか。


 当時の明咲は美しかった。

 抄仕込みの少年演技にそれほど興味は惹かれなかったなかったが、彼らの手ほどきを受けてまで母親を救おうとしていた彼女は脆く、さしずめ踏まれるまま素直に汚れる積もりたての雪だった。
 微睡んでいれば本当に男と聞き違えるほど落とした声は、じわりと佐和子の脚と脚の間を濡らした。恋人を見つめていたような目は、初恋も知らない深い孤独を湛えていた。ガラス細工に触れてでもいるようだった指は、恋を知らなくても女体を理解していなければ、あれだけ思いやりで満たせなかっただろう。

 彼女ほどの容姿の女であれば、佐和子の身辺にはいくらでもいた。
 だが、代わりはどこにもいなかった。
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